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「色彩が消えるくらい苦しかった」ロッテ唐川侑己が人知れず戦ったイップス「直球だけなぜか…」苦悩の末につかんだ“代名詞”カットボール秘話 

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梶原紀章(千葉ロッテ広報)

梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara

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photograph byChiba Lotte Marines

posted2026/10/03 06:00

「色彩が消えるくらい苦しかった」ロッテ唐川侑己が人知れず戦ったイップス「直球だけなぜか…」苦悩の末につかんだ“代名詞”カットボール秘話<Number Web> photograph by Chiba Lotte Marines

10月3日に引退試合を迎える唐川

「スライダーを速くするイメージ。もともとボクのスライダーは膨らむ感じではなかった。そこから速いボールということでカットになっていた」という。

 時は流れて2026年9月23日。二軍本拠地であるロッテ浦和球場での最終戦で先発のマウンドに上がった。当初、引退発表後は10月3日に一軍本拠地ZOZOマリンスタジアムで行われる引退試合での登板だけに絞っていた。しかし、後輩選手たちから「ぜひ二軍の本拠地最終戦でも投げてほしい。投げている後ろで守らせてほしい」との声が上がり、それに応える形で打者1人だけ対戦した。打席にはライオンズの西川愛也外野手。初球はカットボールでストライク。2球目にカットボールで中飛に打ち取った。カットボールで押し切る唐川の生き様がそこにはあった。

「ここまで結果的に出来たのはカットボールのおかげ。この世界でギリギリだけど、生きる術を授けてくれたというか、与えてくれた救世主」と自身の代名詞にもなったボールに感謝をしてマウンドを後にした。そして「今ではストレートは投げることはできるけど、カットボールより質は落ちます」と笑った。

忘れられない…名伯楽に怒られた日

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 苦しい時になんとか生き抜こうと必死にもがき、身につけたカットボールという生きる術。つらい日々の中でもう一つ手に入れた大切な事がある。

 それはプロ野球人生の中盤。周囲から唐川のピッチングには荒々しさがないと言われた時期があった。どんな時もクール。ピンチを抑えて吠えることもなければ打たれて悔しがる表情も出ない。

「だから、あえて荒々しくしてみた時期があった。そんな時、マウンドでイライラして態度に出してしまった」

 調子が上がらずファーム暮らしが続いていた時のこと。ロジンをマウンドに叩きつけた。それを見ていた二軍投手コーチ(当時)の小谷正勝氏に怒られた。

【次ページ】 最後のマウンド「ベストを目指して」

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