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「色彩が消えるくらい苦しかった」ロッテ唐川侑己が人知れず戦ったイップス「直球だけなぜか…」苦悩の末につかんだ“代名詞”カットボール秘話
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梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph byChiba Lotte Marines
posted2026/10/03 06:00
10月3日に引退試合を迎える唐川
腕を下げてみたこともあった。
「自分からコーチにお願いをしました。腕を下げて、手首を走らせてスナップを効かせる感覚を作り上げた」
少しずつ手応えを感じ始めたが、その後に待っていたのは悪夢だった。さらなるパワーアップを目指し、腰の柔軟性を課題に取り組み、徐々に回旋可動域を広げることに成功した。しかし、その代償としてピッチングの感覚を喪失した。
人知れず悩んだ“イップス”
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「突然、ストレートを全く投げられなくなった。マジで記憶がなくなるくらいに苦しんだ。ブルペンでは隣でピッチングしている人たちのところに投げて、当てそうになったこともある」
2017年の事だ。ストレートが思うようにコントロールできなくなった。突如、投げる感覚を失った。なにをやっても思い出せない。パニックに陥った。いわゆるイップスだった。
「スライダー、カーブ、フォークは投げられる。ストレートだけなぜか投げることができなくなる」
苦しみのどん底にあえぐ唐川に首脳陣が苦渋の選択として提案したのは中継ぎ転向だった。忘れもしない。2018年、ポカポカ陽気の春の日。この年からマリーンズの監督に就任した井口資仁氏(現侍ジャパン監督)が二軍の本拠地・浦和に突如、現れた。
「2人だけで話がしたい」
そう口を開き、持ちかけられたのがセットアッパー転向だった。ルーキーイヤーから先発を務めてきた自負はあった。しかし、ストレートが投げられない以上は長いイニングはもたない。短いイニングを変化球で乗り切る覚悟を決めた。
苦悩の末に生みだした「代名詞」
「だからスライダー中心で投げた」。これが好結果に繋がった。少しばかり余裕が生まれるとストレートの代わりにスピードが出る新たなボールの習得に取り組んだ。それがその後の唐川の代名詞となるカットボールだ。


