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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
なぜ「日本代表のW杯優勝は無理」なのか? ベスト32敗退の現実、子ども人口激減…“2050年までの優勝”を掲げた文書「Japan's Way」を読んで冷静に考えた
text by

曹宇鉉Uhyon Cho
photograph byKichi Matsumoto/JMPA
posted2026/10/02 11:00
W杯ベスト32敗退の現実、少子化…“2050年までの優勝”を掲げた文書「Japan's Way」を読んでみた
「もちろん敏捷性も献身性も重要だけれども、差別化できるところではない。そこで出てきたのが、『Japan's Way』文書のマルチパスという切り口なのかなと」
文書内では「日本型ダブルピラミッド」という構造が繰り返し提示されている。「競う」層と「楽しむ」層というふたつの三角形が高め合い、相互に行き交うことによってもたらされる“日本独自のサッカー文化”の成熟。育成・強化の観点に立つと、エリートコースではない高校、大学のサッカー部を経て、日本代表の主力まで上り詰めた中村憲剛や伊東純也がマルチパスの実例として想起される。
避けられない少子化の影響
「日本サッカーの特徴をプレーや身体能力ではなく、構造の面からあらためて自己定義した。それはそれで意義があるんじゃないかと考えています。その構造体を維持して、よりよく回していくための取り組みが実際にできているのか、というのはまた別の話ですが」
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避けては通れない大前提もある。深刻な少子化だ。厚生労働省の人口動態によると、2050年のワールドカップを24~25歳で迎える2025年生まれの出生数は67万1236人(概数)。一方、中村敬斗らが生まれた2000年の出生数は119万547人と、25年で約52万人も減少している。高齢化や過疎化も進む日本社会にあって、サッカー界が育成システムを維持・発展させることは本当に可能なのか。『JFA成長戦略2026-2031』では少子高齢化を大きな課題としてとらえているものの、競技力に与えうるネガティブな影響がどこまで想定されているのかは判然としない。「2050年までの優勝」というビジョンを掲げる以上、他国との相対評価も含めて、計算式から抜け落ちるべきではないシリアスな問題だといえる。
いま目の前にある現実や「Japan's Way」の内実を見つめると、「優勝は無理ではないか」という疑念は膨張していく。五百蔵氏は率直な見解を述べた。
「個人的には、JFAが掲げるワールドカップ優勝という目標は取り下げたほうがいいのでは、と思っています」
なぜそう考えるに至ったのか。五百蔵氏が続ける。
<続く>
※参考文献は後編末尾に記載
