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なぜ「日本代表のW杯優勝は無理」なのか? ベスト32敗退の現実、子ども人口激減…“2050年までの優勝”を掲げた文書「Japan's Way」を読んで冷静に考えた 

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曹宇鉉

曹宇鉉Uhyon Cho

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photograph byKichi Matsumoto/JMPA

posted2026/10/02 11:00

なぜ「日本代表のW杯優勝は無理」なのか? ベスト32敗退の現実、子ども人口激減…“2050年までの優勝”を掲げた文書「Japan's Way」を読んで冷静に考えた<Number Web> photograph by Kichi Matsumoto/JMPA

W杯ベスト32敗退の現実、少子化…“2050年までの優勝”を掲げた文書「Japan's Way」を読んでみた

 一方で、ユース育成のポイントを整理した章など、一読に値する内容も含まれている。総ざらい的な構成も、「取りこぼしがないように」という意図の表れだと解釈することもできる。また、多様性の尊重やインクルーシブについて言及した箇所は、実際の取り組みやパートナー契約と食い違う部分もあるのでは、と思わなくもないが、本稿の趣旨から逸れるためひとまず措くとする。

「ある意味で後退した内容」

 このデジタルブックの内容を、広告代理店的な美辞麗句で構成された建前にすぎないと切って捨てるのはたやすい。しかし「2050年までの優勝」を宮本恒靖会長や森保監督が目標として堅持している以上、仮に建前であったとしても、理念の妥当性は真剣に問われてもよいだろう。

 日本代表の戦術と戦略を詳しく論じた『砕かれたハリルホジッチ・プラン』『森保ストラテジー』(ともに星海社新書)の両著作を持つ五百蔵容(いほろい・ただし/スタジオモナド代表)氏は、「Japan's Way」の意味合いの変遷を指摘する。

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「現在公開されている『Japan's Way』文書は、いい落としどころを見つけたなと感じました。2006年にイビチャ・オシム監督が『日本サッカーの日本化』を標榜して、当時の技術委員長だった小野剛さんが考案した『Japan's Way』からは、ある意味でかなり“後退した内容”になっている。そこがポイントです」

見えぬ具体性…日本サッカーはどこへ向かう?

 オシム監督の就任後、敏捷性や運動量といった身体的能力、あるいは組織力、献身性、規律などが「日本人らしいサッカー」の強みとして認識されていた時期がたしかにあった(現在もクリシェとして残っている)。だが現代サッカーにおいて、そういった要素は一定以上の強豪国なら標準的に備えている。なお、さまざまな概念を代入可能な「日本人らしいサッカー」という物語をいかにメディアが報じ、内面化していったか、という経緯については、明治大学准教授の笹生心太氏の著書『サッカー報道とナショナリズム 「日本人らしい」プレーとは何か』(青弓社)に詳しい。

 つまるところ、「Japan's Way」の妥当性を担保するためにJFAは別のナラティブを用意する必要があった。五百蔵氏が続ける。

【次ページ】 避けられない少子化の影響

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