テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER

「久々だな。へへ」なぜか大谷翔平は明るかったが…番記者「エンゼルスの時を思い出すね」“テレビに映らない”負傷者リスト入り、何があった?〈現地取材〉 

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柳原直之(スポーツニッポン)

柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara

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posted2026/09/11 06:02

「久々だな。へへ」なぜか大谷翔平は明るかったが…番記者「エンゼルスの時を思い出すね」“テレビに映らない”負傷者リスト入り、何があった?〈現地取材〉<Number Web> photograph by Naoyuki Yanagihara

大谷翔平は体の各所に不安要素を抱える中で、ドジャースのワールドシリーズ3連覇へどんな打棒を見せるか

 大谷はすぐにクラブハウスの奥へ消えた。約10分後にクラブハウスが閉まり、ロバーツ監督は試合前会見で、大谷が「1番・DH」で5試合ぶりに出場することを明らかにした。

 復帰戦は3打数無安打1四球。数字だけを見れば、まだ本来の大谷ではない。それでも試合後、5試合ぶりの出場を振り返る大谷は目尻にしわを寄せた。

「ああ……久々だなあって。へへ」

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 思わずこぼれた笑い。野球小僧のような表情が戻った。

普段以上に明るく…なぜ?

 この4日間の大谷を見ながら、改めて感じたことがある。ロバーツ監督は5日の試合前、調子が悪い時の大谷は口数が少なくなるという趣旨の話をしていた。だが、日本ハム時代から取材を続けてきた番記者としては、むしろ逆に映ることがある。

 苦しい時ほど、普段以上に明るく振る舞う。報道陣へのあいさつ一つを取っても、声のトーンがいつもより高く感じる時がある。

 不調だから不機嫌になった、周囲にそれを感じさせた――。そんなふうに受け取られることを嫌うのではないか。だからこそ、苦しい時ほど、それを表に出すまいとする。正しい表現ではないかもしれないが、そんな少し“天邪鬼”なところが大谷にはある。

 そして5試合ぶりに出場した7日の試合後、もう一つ改めて驚かされたのが、大谷の発想だった。本人が主な不調箇所として挙げたのは右上腕二頭筋と左膝。スイングでは「加速にいく場面とストップ動作」に痛みや違和感があるという。それでも「振り方次第でなんとでもというか、改善はできる範囲のこと。逆に言えば、そういう引き出しの多さをつくるチャンス」と言った。

 故障というマイナスを、新たな“引き出し”を増やす機会に変える。できないことが生まれれば、できる方法を探す。長く取材してきたが、逆境さえプラスに変えようとする発想こそ、大谷の強さなのだと改めて感じた。

「エンゼルスの時を思い出すね」

 一方で、復帰を巡って出場と欠場を繰り返す状況には、どこか既視感もあった。

【次ページ】 「エンゼルスの時を思い出すね」

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