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今年のプロ野球“最大のナゾ”「なぜ阪神・森下翔太は死球を当てられるのか?」元ソフトバンクコーチが語る“3つの要因”「そして佐藤輝明が打ちまくる」
text by

岡野誠Makoto Okano
photograph byKYODO
posted2026/09/08 11:04
今シーズン、ここまで両リーグ最多死球を受けている森下翔太(阪神)
だが、水上はそう考えていない。
「上手だと思います。ボールが来た瞬間、よく背中を向けていますよね。だから、大ケガにつながっていない。まともに手首などに当たったら、危ないと十分に理解している」
死球17個のうち6個は背中に受けている。これだけを見ると多くはないが、腕やヒジに当たったケースも咄嗟に反り返って、ダメージを最小限に留めている。5月23日の巨人戦(東京ドーム)の1打席目、捕手の大城卓三が外角に構えたものの、ウィットリーの3球目は内角へ。事前に制球の乱れを感じていた森下は、すぐに背中を向けている。
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「今は26歳で反応も速いですが、30歳を過ぎるとどうしても遅くなる。既にしているかもしれませんけど、軟らかいボールやピンポン玉を使って、避ける練習をしておくに越したことはないと思います」
森下は、決して避け方が下手だから当たるのではない。「球界のデータ分析の向上」「右方向への長打」「初球打ち」という3要素が死球増の理由のようだ。
新事実…死球と勝利の関係
では、森下に当てたチームは得をしているのか。背番号1の死球の次打席を調べると、打率.167(12打数2安打)、1本塁打、2四球と打てていない(翌試合にまたがる打席は除く)。これだけを取り上げれば、死球の効果があるように見える。
だが、視野を広げると、話は変わってくる。実は、森下が死球で歩いた直後、次打者の佐藤輝明は打率.462(13打数6安打)、1本塁打、7打点と打ちまくっている。7月16日の中日戦(バンテリン)では柳裕也から逆転2ランを放ち、チームを勝利に導いた。
「死球後の配球は読みやすくなりますし、佐藤はピッチャーの動揺を見透かしていると思います。『2人連続で死球は出せない。甘い所に来るはずだ』と考えて、思い切り踏み込んでいるのでしょう」
続く大山も打率.273(11打数3安打)ながら、6打点と仕事をしている。森下が死球を受けた試合、阪神は11勝5敗1分と大きく勝ち越し、勝率.688と高い数字を残している。
「相手チームも、そろそろ気付いた方がいいと思います。森下に当てると、チャンスで佐藤や大山に回ってしまう。すると1点どころか、大量点につながる危険性が高まる」
DeNAも、牧の死球直後の打者が3割7分5厘(8打数3安打)1本塁打4打点と打っており、10勝2敗0分で勝率.833を挙げている。与死球は、チームを敗戦に引きずり降ろすような魔力を持っているようだ。
〈つづく/「顔面死球で骨折」水上善雄の体験編〉
参考文献:スポーツナビ、日刊スポーツ、スポーツニッポン、スポーツ報知、サンケイスポーツ、デイリースポーツ、中日スポーツ

