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「現実を突きつけられたわけだから」敗れた福島の絶対王者・聖光学院で“新チーム”が始動…神様にそっぽを向かれた常勝軍団はどう変わる?
text by

中村計Kei Nakamura
photograph byKei Nakamura
posted2026/08/29 11:02
福島大会で負けた翌日から新チームが指導した聖光学院。炎天下のグラウンドでも大きな声をだしていた
3年生がいるとは聞いていたものの、練習中はまったく気づかなかった。2人とも丸刈りで、人一倍声を張り上げていたせいだ。現役部員なのかなと思ってしまったのだ。
部長の横山が彼らの代のことを「私生活も、練習も、練習試合も、公式戦も、全部マックスでやれる選手たちだった」と評していたが、それは引退しても変わらないのだろう。
三角に折られたトイレットペーパー
孝侑はやや照れながら言った。
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「自分たちの代は、トイレのスリッパはきれいにそろえる、トイレットペーパーのはしは三角にきちんと折るという小さいところから大事にしてやってきた。負けは負けなんですけど、そういう積み重ねてきたことをこれからも続けることが大事かなと思っていて。自分たち63期は43人いるんですけど、大学行く人も、就職する人も、ここで学んだことを1人でもできなくなったときが本当の負けだと思うんで。トイレを出るときに、ふと気づいたら、三角に折るとか……目の前のことを疎かにしないようにやっていきたいなと思っています」
聖光の寮のトイレ、聖光が利用した宿泊施設のトイレの紙の先端はきれいに折られていることが容易に想像できた。そして、その延長線上に、日々の些細なことですらゆるがせにしない、修道的とも言える野球があった。
「男なら、潔く負けを認めて」
濃い眉と強い眼差しをたたえた十文字は、まるで映画に出てくるヒーロー役の修行僧のような雰囲気を漂わせていた。
「95パーぐらいは、もう吹っ切れました。男なら、潔く負けを認めて、前に進むしかないんで。自分が成長するための試練だと思います。福島大会の決勝も、あえて観に行きました。甲子園も全部、観るつもりです。観てると悔しくなるんですけど、この負けを絶対、忘れないようにというか、植え付けてやろうと思ってます。それがモチベーションになるので」

