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「現実を突きつけられたわけだから」敗れた福島の絶対王者・聖光学院で“新チーム”が始動…神様にそっぽを向かれた常勝軍団はどう変わる?
text by

中村計Kei Nakamura
photograph byKei Nakamura
posted2026/08/29 11:02
福島大会で負けた翌日から新チームが指導した聖光学院。炎天下のグラウンドでも大きな声をだしていた
「自分たちの中には、ここまでのチームになれば負けないという基準があって、それをクリアしているのに負けたという経験がなかった。だから、より衝撃だったんです。なんなんだろう、この結末は、って。やることをやったチームにはいつも言ってたんですよ。聖光には神様がついてるぞ、って」
神様はどこへ行ったのか――。そう言いたげだった。
「正義は絶対勝つなんてことはない」
とはいえ、横山の中では、うっすらと答えは出ているようでもあった。横山はミーティングで、選手たちにこんな風に問いかけたことがあるそうだ。
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「正義の反対って、何だと思う?」
選手の多くが「悪」と答えた。しかし、横山はこんな答えを用意していた。
「僕も何かの記事で見たんですけど、『正義の反対は、別の正義だぞ』って。聖光は自分たちなりの正義を貫いて、ここまで結果を出してきた。ただ、それは自分たちが考える正義であって、俺らから見てやり方や考え方が違うんじゃねえかと思えるチームにも、そのチームなりの正義があるんだぞ、って。だから、これだけやったのに何で負けたんだっていう思いはわかるんだけど、一生懸命やってるのはうちらだけじゃないわけですよ。正義は絶対勝つなんてことはない。だって、正義と正義がぶつかったら、どちらかが負けるわけで。それが戦争でしょ? 厳しい勝負の世界も同じだと思うんですよ。自分たちも県内では勝ってますけど、甲子園では何度も負けてるわけですし。甲子園なんて、それぞれの正義を貫いてきたチームの集まりじゃないですか。この夏は、昌平の正義を認めるしかないと思うんです。他を認めることができるってのも、大事じゃないですか」
3年生がいるとは気づかないほど……
この日、グラウンドでは2人の3年生が練習に参加していた。横山の息子である孝侑と、「7番・レフト」の十文字陽生だ。十文字は東日大昌平戦で、先制点につながる唯一の長打を放ったバッターでもある。2人とも大学で野球を続ける予定だという。

