野ボール横丁BACK NUMBER
「現実を突きつけられたわけだから」敗れた福島の絶対王者・聖光学院で“新チーム”が始動…神様にそっぽを向かれた常勝軍団はどう変わる?
text by

中村計Kei Nakamura
photograph byKei Nakamura
posted2026/08/29 11:02
福島大会で負けた翌日から新チームが指導した聖光学院。炎天下のグラウンドでも大きな声をだしていた
十文字は大学で4年間、聖光で過ごしてきたときと同じように野球をやり切り、プロ野球選手になるのだと将来の夢を語った。
横山も十文字もタイプは違うが、まさに聖光で過ごした約千日を体現したようなプレーヤーである。
リクエストの「寿司」
練習後、炎よりも熱いのではないかと思わせる横山部長もさすがに音を上げていた。
ADVERTISEMENT
「選手たちに『暑いと思っただけで体感温度、5度上がるからな』って言ったんだけど、やっぱり、暑い! 暑いわ」
そして、冷たいお茶を勢いよく腹の中に流し込んだ。
この日、聖光の練習は昼過ぎに終わった。横山は孝侑と十文字を連れて、食事に行くのだと嬉しそうに話していた。2人のリクエストは「寿司」だった。「この夏は、焼き肉ばっかり食ってるんで」と十文字は笑った。
「父親、してきます!」
そう言って横山は帰って行った。
うといさいはいさいとう――。
こんな回文を作ってくれた知り合いがいるのだと斎藤は明かす。
「ほら、俺、疎い方だから。現状維持がいいとは思ってねえけど、性格的に斬新なタイプじゃねえし、どんどん進化していくタイプでもねえし。でも、若いコーチの中に革命的なのがいっぱいいっから。この器具がいいとか、この食事がいいとか。そこは任せてっから。そういう意味ではすっごい進化してると思うよ」

