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「あの試合が終わって『夏も優勝しようや』と」高校野球“史上最高の試合”箕島-星稜延長18回の死闘で起きたこと「星稜の思いに報いたい」
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元永知宏Tomohiro Motonaga
photograph byJIJI PRESS
posted2026/08/27 06:02
高校野球史上最高の試合と呼ばれる箕島対星稜の“延長18回の死闘”。スコアボードが足りなくなって……
「今の高校野球だったら起こらないプレーですよね。タイムがかかる場面だし、そもそも隠し球を狙うような選手がいないから」
この試合の三塁の塁審をつとめたのは名アンパイヤとして知られた達磨省一だった。
「僕らも、サードがボールを持っていることを知りません。あとで聞いた話ですが、達磨さんは若狭がボールを持っていたことに気づいていたそうです。『変な動きをするなよ……』と念じていたと聞きました」
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ピッチャーがボールを持っていない状態で投球動作を始めたり、マウンド付近にいると、ボークが宣告されるからだ。
「達磨さんは、そんな結末だけは避けたいと考えていたそうです」
それは塁審の杞憂に終わり、星稜の選手は「変な動き」をしなかった。
まさかの転倒からの同点弾…「明日、投げられるんかな」
次に試合が動いたのが16回表だ。星稜がデッドボールと五番・堅田のヒットでチャンスをつくり、七番・山下靖のタイムリーヒットで3対2と突き放した。
その裏の箕島の攻撃、二者が凡退して「あとひとり」まで追い込まれた。打席に立つのは六番の森川。14回裏に隠し玉でアウトになった選手だ。彼の打球は一塁のファウルゾーンに上がった。ところが、ファーストの加藤直樹が転倒して捕球できない。命拾いをした森川が5球目を叩くと打球は左中間スタンドに飛び込んだ。
3対3の同点! 試合はまだ続く。
「あの時、森川は吹っ切れたんと違うかな? 何かが取りついたんかな(笑)。森川のホームランなんてあれくらいしか見たことがない。でも、追い詰められた場面であのバッティングができたのはやっぱり能力があったから」
17回は両チームとも三者凡退。
18回表に星稜が満塁のチャンスをつくったが、得点することができなかった。この時点で星稜の勝ちはなくなった。
「18回表が始まる時に、『再試合になった場合は明日の8時30分にプレーボール』という場内アナウンスが聞こえました。僕は途中で右手中指の血豆がつぶれたままで投げていたから、体力的なことよりもそっちのほうが心配でした。『明日、投げられるんかな……』と」

