炎の一筆入魂BACK NUMBER
「夜中に飛び起きてシャドーを繰り返したり…」暗中模索の日々を乗り越え、カープの投手最年長・大瀬良大地がようやく掴みつつある復調の気配
posted2026/08/20 06:32
今季は一軍で2試合の登板にとどまる大瀬良
text by

前原淳Jun Maehara
photograph by
JIJI PRESS
シーズンが佳境を迎えても、一軍の舞台に大瀬良大地の姿はない。シーズン序盤から低迷する広島の中で、球団最高年俸にして最年長の投手がいまだ居場所を取り戻せずにいる。
10年ぶりに開幕ローテーションから外れた今季、シーズン序盤に2度、先発の機会を与えられたが、結果を残せなかった。その後は二軍暮らしが続く。実戦から離れているわけではないが、二軍でも打ち込まれる登板が目立った。
8月中旬、朝9時に始まった二軍の練習で、35歳はまだ気温が上がりきる前から大粒の汗を流していた。
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「もちろん、自分でも何をやっているんだろうとは思っていますし、チームに申し訳ない。本当にひどい状況だというのは分かっている」
チーム愛と責任感が人一倍強いだけに、悔恨や自責の念を自らに突きつけてきた。同時に、さみしさも感じていた。
「ただ、チームに対する批判的な声の中に、僕の名前が挙がることがないように感じる。批判というより、同情されてるのか。それは選手としてはつらい」
右肘手術から続く違和感
周囲から斜陽の選手と見られている。今季、実戦で残した成績をみれば、そう思われても仕方がない。
一軍/2試合、0勝2敗、防御率9.82
二軍/14試合、4勝5敗、防御率4.13
開幕直前に右ふくらはぎを痛めたことが開幕ローテ争いからの脱落を決定づけたものの、仮に負傷していなくてもローテを勝ち取れていたかは分からない。おそらく、入れなかっただろう。大瀬良自身がそう感じている。
昨年10月の右肘手術を経て、スローを再開したときから感覚的な違和感はあった。
「何か、違う。おかしい」
4度目の右肘手術明け、初めて味わう感覚だった。春季キャンプでもオープン戦でも、違和感は拭えなかった。もがいていた中で、さらにふくらはぎを痛めての負傷離脱。小さなモデルチェンジではごまかしがきかないと、危機感を募らせた。
