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甲子園の風BACK NUMBER
「高校野球をネタにしたことは一度もありません」板東英二が熱く語った…“1大会83奪三振”の偉業も「甲子園に出たのが偉いわけやない」本音の高校野球論
text by

安藤嘉浩Yoshihiro Ando
photograph byKYODO
posted2026/08/16 06:01
2008年8月2日、徳島商のユニフォームで甲子園の開会式に登場。板東英二さんにとって「高校野球」は特別だった
しかし、さすがの剛腕も4連投となった19日の決勝は疲れを隠せず、柳井(山口)に0-7で敗れた。奪った三振はわずか3個だけ。「決勝は試合中にベンチで寝とったようです」と板東さんは言った。
1大会83奪三振は今も大会記録として輝く。なにより高校野球の歴史を変え、記録と記憶に刻まれる偉大な投手だった。
「高校野球をネタにしたことは一度もありません」
「ぼくにとって、高校野球は特別なんです」
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板東さんに初めて挨拶したのは2007年秋だった。
「プロ野球はさんざん笑いにしてきましたが、高校野球をネタにしたことは一度もありません」
熱く語って下さった姿が忘れられない。
夏の第90回記念大会を翌年に控えていた。その記念イベントとしてスポーツ障害予防シンポジウム「熱投の秘密」を企画し、協力をお願いしたときのことだ。「ぼくにできることは喜んで協力します」と快諾してくれた。
明けて2008年1月13日に開催されたシンポジウム、第3部の座談会に一緒に登壇したのは第88回大会決勝で延長15回引き分け再試合を投げた早稲田実(東京)OBの斎藤佑樹さん(当時・早稲田大学1年生)、第80回記念大会準々決勝で延長17回を戦った横浜(神奈川)監督の渡辺元智さん、第51回大会決勝で延長18回再試合を投げた松山商(愛媛)の井上明さん(当時・朝日新聞記者)というメンバーだった。
板東さんは進行役も引き受けてくれ、長年タレントとして活躍する人らしいトーク術で、斎藤さんと楽しい掛け合いをしてくれた。
「斎藤くんはどれぐらい練習してたのかな?」
「1日2~3時間でした」
「何やて? 授業中に寝てた時間やないんやから。それで、どんな練習をしてたんかいな」
「ブルペンでは30~40球、多くて50~60球投げました」
「それだけ? ある程度投げんとコントロールが身につかないと思うけどなあ」
「比較的ストライクは入りました」
「いやらしいやっちゃなあ(笑)」
学生服姿の斎藤さんに投球フォームを披露するよう促すなど、持ち前のサービス精神で会場を沸かせて下さった。

