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審判たちの甲子園BACK NUMBER
金足農の伝説“あのサヨナラ2ランスクイズ”現場の審判は何を感じていた?「最後まで分からんのが甲子園なんよ…」“史上最高試合”で敗れた塁審の証言
text by

安藤嘉浩Yoshihiro Ando
photograph byJIJI PRESS
posted2026/08/13 06:00
2018年夏の準々決勝で金足農が決めたサヨナラ2ランスクイズ。審判たちはどんな思いでこの瞬間に立ち会っていたのか
金足農も5回に追いつく。1死から右中間三塁打を放った菅原天空を、続く2番の佐々木大夢がスクイズを決めて返した。
金足農は1回戦でスクイズを2つ、2回戦でも1つ決めている。「伝家の宝刀」と言ってもいいほど、決定力が高い得意技だった。
その一方、3回戦は6番の高橋佑輔が逆転3ランをバックスクリーンに打ち込むという力技で、実力校の横浜を6-5で振り切っている。
「9人野球」の金足農vs.2年生バッテリーの近江
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絶対的なエース・吉田を中心に、秋田大会から選手交代を1度もせず、全試合を「9人野球」で勝ち上がってきた。上半身を後方に大きく反らせながら勝利校の校歌を全力で斉唱する選手の姿も話題となり、世間の注目を集めていた。
対する近江も好左腕・林優樹とリードのいい有馬諒が組む2年生バッテリーを擁する好チームだった。1回戦では選抜大会準優勝の智弁和歌山を、4番・北村恵吾の2本塁打などで下している。
この試合も1点を先行し、5回から2年生エースの林をマウンドに送った。結果的には、その代わり端をつかれる形で追いつかれたが、その後は林が本来のピッチングを展開している。
球審の田中は回想する。
「どうなるんや、どうなるんや。皆さんもそういう思いで、ご覧になっていたのではないでしょうか」
もちろん、自分は両投手のリズムを崩さぬよう心がけつつ、1球1球のジャッジに集中していた。
6回表、追いつかれた近江がすぐに金足農を突き放す。4番打者の北村が三遊間を破る勝ち越しタイムリーを放った。
一方の金足農は、好左腕の林をとらえ切れず、近江に1点リードを許したまま、最終回を迎えた。

