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野球クロスロードBACK NUMBER
「もしも君たちが優勝したら…」広島“普通の公立校”がなぜ甲子園に? 前職は校長先生…4月に就任「異端の名将」が部員に伝えた“魔法の言葉”
text by

田口元義Genki Taguchi
photograph byJIJI PRESS
posted2026/08/10 11:01
春夏通じて初の甲子園出場を決めた広島の市立福山。「普通の公立校」を率いた就任4カ月の名将とは何者だった?
キャプテンの渡辺雄介が、チームの変化をこのように実感する。
「とにかくメンタル面は変わりました。夏まで3カ月という短い期間で変えられるとすれば『考え方だ』と、監督からはずっと言われてきて。野球のプレーにしても予測とアプローチの仕方を『複数持つようにしよう』とか言ってもらえたので、行動パターンが増えて実行にも移せるようになりました」
キャプテンが先頭に立ち「福山市を驚かせてやろう」と合言葉を口に出し続けたチームは、本当に夏の広島をひっくり返した。
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勝利は、言霊がもたらした。
「俺は驚かないよ」と、小田は言った。市立福山の勝利は、まさに必然だったのである。
「普通の公立校」の躍進は続くか?
広島のみならず全国に衝撃を与えた「普通の公立校」は、甲子園の初戦で天理と対戦する。日本一3度を誇る名門である。
人は「予選での勢いを甲子園でも」と、快進撃を望むだろう。
だが、小田はここでも達観する。
「甘い舞台ではないことはよく知っていますんで。『初出場らしく、のびのびと』なんてモードでは戦いません。打ちのめされてもいいから力勝負に挑む。それが裏目に出て力を発揮できないのも覚悟の上です。リスクを取ってでも勝負をしなくてはいけない場所ですからね、甲子園は……というカツを入れるミーティングも、意図的にしてきました」
激戦広島で公立3校を甲子園へと導いた名将。魔法はすでに唱えてある。
市立福山。すでに戦闘態勢に入っている。

