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甲子園の風BACK NUMBER
「気合を入れる、とか嫌いなんです」野球部から東大合格者2名…“公立進学校で野球も強い”東筑のナゾ「監督は数学の先生」「怒るときは3分以内」
text by

樫本ゆきYuki Kashimoto
photograph byYuki Kashimoto
posted2026/08/05 11:36
東筑野球部の練習メニューに走り込みはない。が、生徒たちが意欲的に体力トレを選択していく(2019年撮影)
1998年センバツに出場した97期のOBで、控え捕手として背番号16をつけた。「俺が俺が」ではなく、人を巻き込んでいくタイプ。裏方気質は選手時代からそのままだ。
東京学芸大時代は野球部に所属しなかった。
9年ぶりの福岡大会制覇
青野との違いを山下は率直に語る。「青野先生は外部の人を入れないタイプ。僕はいろんな専門家を入れていくタイプです」。ラグビー部のトレーナーに野球部のトレーニング指導を依頼し(今のところ無償)、OBで甲子園エースでもある石田旭昇(現FBSアナウンサー)を臨時ピッチングコーチとして歓迎する。「ちょっと力を貸してよ」と声をかけて周囲を巻き込む力は、いかにも山下流だ。
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「戦術としては青野先生の超攻撃型と、緻密な細かい野球、いいとこどりでバランスよく取り入れてやっていこうと思います」
就任してすぐの新人大会(2025年秋)、山下のプレッシャーは相当なものだった。「準決勝の九国大付戦がいちばん気楽でした。負けてもともとだったから」。結果、みごと優勝。今夏も、ライバル九国大付に9回に逆転し準決勝を勝利した。9年ぶりの優勝を決め「選手のお陰です」を連呼した。
東筑野球部の強さとは、技術や戦術のことだけではない。「わからない」と言いながら準備を続け、「苦しめなくていい」と言いながら勝ち続ける。その姿勢そのものが、強さの正体ではないだろうか。東筑の選手たちの姿に、その問いに対する答えが表れている。

