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甲子園の風BACK NUMBER
「一般入試9割で甲子園」福岡の東筑はなぜ強い? 野球部から東大合格の公立進学校「高校野球は人間形成が目的ではない」「勉強する習慣は絶対に必要」
text by

樫本ゆきYuki Kashimoto
photograph byYuki Kashimoto
posted2026/08/05 11:35
東筑野球部の練習場は「共用グラウンド」。他部の生徒同士で声をかけ合うことで成り立つ
「勝って喜んだり、感動を味わう。そのために助け合う気持ちが自然と湧き起こる。野球ってチームスポーツだから。個人スポーツじゃないから、みんなで協力しながら練習環境を整えていく。そういうのはあえて言わなくても自分で感じることでしょ。だから人間教育って言わない」
青野は「あえて言わなくても自分で感じること」を生徒たちが積み重ねることを重視する。
「練習時間が短いことはメリットです」
福岡の公立校を率いて43年。その歳月は、一つの確信を青野に与えた。
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「練習時間が短いことはメリットです」
練習は他校野球部でも見られるようなオーソドックスな内容だ。特筆すべきは、準備、移動の生徒たちの早さにある。さらに生徒たちは、なぜこの練習をすべきか、何に役立てるのかを理解している。やらされるのではなく、自らやる。それが東筑野球部の根本にある思想だ。
青野は言う。
「過酷な練習をしなくても、自分でやるんですよ、選手たちは勝ちたいから」
自主性を引き出すのではなく、自主性が自然と出てくる環境をつくる。「やらされる野球」と「やりたい野球」では、同じ練習量でも積み上がるものが違う。勝ちたいという気持ちが本物であれば、誰に言われなくても朝練をする。バットを振る。東筑の選手たちがそれを証明している。
青野はさらにこうも話す。
「気合を入れるのとか、嫌いなんです」
〈つづく〉
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