テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
大谷翔平の左ひざ異変…本人は「無理をすればいける」が、検索すると“2019年の手術箇所”「ここまで引きずるのは珍しい」番記者が取材した舞台裏
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byKiichi Matsumoto
posted2026/07/30 06:01
左膝の不安に端を発した投手での登板回避、打撃面の懸念……大谷翔平はドジャース3年目、どう後半戦に臨んでいくのか
大谷にとって一番難しい決断なのでは
翌11日、大谷は3回に中前打を放った。一塁へ向かう走りは、まだどこか慎重に見える。それでも、ベースを踏むと何事もなかったように一塁手と言葉を交わし、ベンチへ戻っていった。
前日に聞いた言葉を思い出した。
「無理をすればいける状態だった」
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無理はしない。でも、出られるなら出る。その境界線を探りながら、大谷は今日もグラウンドに立っていた。
「出られるのに出ない」
それは、大谷翔平にとって一番難しい決断なのかもしれない。
中前打の際、打球よりも目が向いたのは一塁までの走りだった。全力疾走ではない。どこか慎重に、一歩一歩を確かめるように走る。それでも一塁ベースを踏むと、何事もなかったように一塁手と言葉を交わし、ベンチへ戻っていった。
一方で、この日は山本由伸が前半戦最後の登板に臨み、メジャー自己ワーストタイとなる6失点を喫した。6回、先頭打者への四球から流れが変わる。三塁線へのゴロを三塁手マンシーが止め切れず適時二塁打となり、その後は3ランを浴びた。
「もしアウトにできていれば……」
記録は安打だったが、記者席ではそんな声も上がった。ドジャースは首位を独走している。それでも、ポストシーズンは一発勝負だ。たった一つの四球、たった一つの守備が流れを変える。改めて、その怖さを感じた試合でもあった。
ここまで引きずるのは珍しいよね
そして12日。前半戦最終日を迎えた。大谷は初球を振り抜き、日米通算350号となる22号先頭打者本塁打を放つ。3回の2打席目も右中間への二塁打で続けた。
「やっぱり打つな」
ここ数日の流れを見ていると、そんな言葉しか出てこなかった。ただ、この二塁打や5回の捕ゴロの際は走り出しこそスムーズだったが、減速時に痛むのか、左足をかばうようなぎこちない走り方になった。自身初の両リーグ最多得票で選出された球宴を辞退するのもやむを得ない状況だ。試合には敗れ、ドジャースは今季初めて同一カード3連敗を喫した。
試合後、クラブハウスで着替え終わって半袖Tシャツ、ハーフパンツ、サンダル姿の大谷を見て、記者たちの視線は一斉に左膝へ集まった。

