- #1
- #2
サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
なぜ塩貝健人、後藤啓介、鈴木唯人は使われなかったのか? 攻撃陣3人あわせて「出場24分」のナゾ…日本とブラジルの勝敗を分けた“選手交代の差”
text by

矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byKiichi Matsumoto/JMPA
posted2026/07/04 11:01
前半が終了しメモを取る森保監督と、その前を横切るアンチェロッティ監督
そうなった理由のひとつとして考えられるのは、最終ラインにコンディションの不安を抱えた選手が多かったことだ。そのため、通常なら先発すればフル出場するのが当たり前のセンターバックのポジションで、グループリーグでは毎試合1枚ないし2枚の交代カードが使われ、攻撃陣がしわ寄せを受けた。
日本代表には森保監督が選手との信頼関係を築きながら8年間をかけて積み重ねてきた戦術的なチームコンセプトと緻密な落とし込み作業のノウハウがある。とはいえ、試合に出場する機会が限られれば、控え選手はコンディション維持だけでなく、試合勘や選手間の連係を高めることも難しい。
もちろん、チームの雰囲気を良く保ち、スタメンを支える姿勢は重要だし、出番の少ない選手も長友佑都やメンター勢である南野、吉田麻也の尽力でメンタルを保ってはいた。
控え選手たちの“成功体験”を積み上げるべきだった
ADVERTISEMENT
だが、それだけでは“ゲームチェンジャー”や“試合を決める存在”にはなれない。実際にピッチへ立ち、「自分が流れを変えられる」という成功体験や自信を積み重ねる機会が少なかったことは、ブラジル戦終盤の采配にも少なからず影響したのではないか。
そして、町野。カタールW杯に続く2大会連続追加招集という超異例の形で呼ばれ、開幕のわずか2日前にグループリーグ初戦が行われるアメリカ・ダラスでチームに合流したハンデをものともせず急ピッチでコンディションを上げ、報道陣にも力強い言葉で対応していた。遠藤の離脱というショックを振り払う一助となったのが、町野の明るさだった。
だが、ブラジル戦の6月29日はブンデスリーガ終了から既に6週間が過ぎていた。チュニジア戦前に体調を崩す不運もあったが、試合勘に難がある状況でいきなり今大会最大の山場であるブラジル戦の終盤に投入されたのは酷だった。守備に追われてしまい、1トップの上田綺世にボールが入った時に適正な距離感でサポートすることもできなかった。

