核心にシュートを!BACK NUMBER
「思わず涙が」失意の田中碧ユニをつかんだ伊藤洋輝、谷口彰悟は鼓舞…なぜ北中米W杯の日本代表は感情移入できたか「取材は1回ルール撤廃」現場記者が語る
posted2026/07/01 11:05
ブラジル戦後、傷心の田中碧をいたわる日本代表のチームメートたち
text by

ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Kiichi Matsumoto/JMPA
2失点目…あの瞬間だけを切り取るのは不毛
――ブラジル戦、終盤の2失点目についてあらためて振り返ると。
「田中碧選手がエンドリッキにプレッシャーをかけ、一度、ボールを奪いましたよね。あそこで奪いきれる日本人選手はこれまでほとんどいなかったから、圧巻のプレーでした」
――プレミアリーグでプレーしている格の違いを見せつけていましたね。
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「そのあと、次のプレーに移ろうとして、エンドリッキのプレッシャーから離れようとしたところで、エンドリックにボールを少しだけ触られたように見えます。そして、ボールが身体から離れたところをラヤンにカットされ、最後はマルティネッリに決められた。皮肉な話ですが〈エンドリッキからボールを奪えなかったら〉全く違う展開になっていたでしょうね」
――田中選手は試合後、号泣していました。取材エリアではどうだったのでしょうか?
「取材エリアに現れたときにもまだ涙を流していて、かなりショックを受けている様子でした。試合直後は取材に答えることなく、JFAの広報担当者からは『明日、取材に応じます』との発表がありました。ただ、田中選手が真っ正面から責任に向き合っている態度を見て、しっかりと向き合わないと失礼なのではと考えています」
――どうしてもSNSやネットニュースで、議論が起きやすいところですが……。
「確かに、最後にボールを触った田中選手がミスをした事実はあります。ただ、その瞬間だけを切り取って議論するのは不毛です」
――その通りですね。
「田中選手がボールを奪った直後、さらに奪われてからの各選手の動きやサポート、ポジショニングは適切だったのか。グループリーグ3試合の日本は、チームメイトのために走ることをいとわないチームでした。実際、元スペイン代表MFで現解説者のチアゴ・アルカンタラも『日本は他人のために汗を流せるチームだ』と絶賛したほどで、前田大然選手も『誰かがボールを取られたら、誰かが切り替えて奪い返すことを当たり前にできるのが日本の強み』だと話していただけに……」
じつはラスト30分シュートなし…検証は必要では
――なるほど。
「それに加えて試合展開で言えば、後半のハイドレーションブレイク以降、守備に振り切った選手交代と戦略、データについても目を向ける必要があります。アディショナルタイムを含めた約30分間で日本は1本もシュートを打てていないんですよね」
――確かに……そうでしたね。

