- #1
- #2
ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
「体の使い方、投球メカニックもすべて言語化できる」DeNAに緊急トレード・尾形崇斗は“超理論派”野球青年、だけど「一番大事にしているのは…」
text by

石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byNumberWeb
posted2026/06/29 11:06
研究熱心でトレーニングや投球メカニクスの理論に精通する尾形。野球の話をしていると楽しくてたまらないという表情を見せる
「オスナには最初、肩まわりをどれだけ鍛えられるかに掛かっている、と言われたんです。日本の選手はどちらかというと下半身を鍛え、それを骨盤、胸郭まで繋げるのは得意なんですけど、そこから上のロスが多いと言っていました。もちろん下半身のトレーニングもしっかりやるのですが、オスナに言われて重点的に肩まわりのトレーニングをしましたね。
最終的にボールを放つのはやはり腕なので、どれだけ下半身のエネルギーを胸郭から肩関節、肘関節、指関節に繋げていけばいいのか気づかせてもらいました。以来、一気に平均球速もマックスも上がったので、本当オスナには感謝しています」
明晰な自己分析
かけがえのない出会いを経て、得たパワーとスキル。その分厚い上半身から放たれる強いストレートは、尾形の最大の持ち味だが、なにかこだわりなどはあるのだろうか。
ADVERTISEMENT
「現時点では平均球速、回転数、縦変化などバランスよく保てていて、客観的に見ても質のいいボールを投げられていると思いますし、そこはトレーニングを経てさらに伸ばしていきたいですね。
あとはコマンド(制球力)というか、高めにどれだけ投げつづけられるかが重要です。中途半端な高さにならず、打たれにくい真っすぐを投げるのが課題ですね。自分の場合、他の投手がゴロに打ち取る低めのボールでも、スピードや回転数があるので、ミートされたときに打球スピードが出てしまうので、そこは気をつけたいですね」
他にも変化球ではブレーキの効いたカーブや、スイーパー系のスライダーなどがあり、2巡目、3巡目などではピッチトンネルを上手く活用し、打者に対峙しているという。もうひとつ尾形はスプリットを持っているが、今季はこれを改良して投げている。
「スプリットというよりは、少し横変化を入れたシンカーですね。球速帯は142~146km。試合によってコントロールが利かないこともあるのですが、非常に有効なボールだと思っています。僕の場合、打者は間違いなく真っすぐに合わせてセットしてくるので、そのとき1球でフィールド内に弱い打球を打たせることのできる球種ですし、先発として球数を減らすには意味のあるボールだと思っています」
尾形はピッチングに関してデータ分析に長け、また自身のメカニックなどにも深いロジックがあり、その知識は非常に広く深い。それに自らのピッチングばかりではなく、打者の傾向や、いかに打球スピードを出させないかにまで言及し、興味深い話をいくつも聞かせてくれた。しかし、ここに記してしまうとこれから対戦するであろう相手の参考になってしまうので、残念ながら割愛させてもらう。

