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菅野智之36歳「CY賞スキーンズに投げ勝ち」「投手の墓場ロッキーズで今季8勝」はもっと称えられるべきでは…巨人で磨いた度胸と投球術は健在
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広尾晃Kou Hiroo
photograph byDustin Bradford/Getty Images
posted2026/07/03 17:01
ロッキーズの菅野智之はサイ・ヤング賞スキーンズに投げ勝つなど存在感を見せている
初回、菅野はいきなりパイレーツの1番ホーウィッツに右翼に先頭打者ホームランを打たれる。続くローにも右前打を打たれるが、後続を断った。
その裏、なんとスキーンズもロッキーズの先頭打者マッカーシーに中越えの先頭打者ホームランを打たれる。3番ラムフィールドには死球を与えるなど波乱の出だしとなった。
2回は両者とも無失点に抑えるが、3回裏、スキーンズは一死からマカーシーに二塁打を打たれ二死後ラムフィールドにタイムリーを打たれ2点目を失う。
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その後、両者は点を奪われることなく、ともに6回を投げ切って降板。「投手地獄」のクアーズフィールドで、そろってQSというレベルの高い投げ合いだった。
試合はそのまま推移し、2対1でロッキーズが勝利した。
2人の投球内容を見てみると
この日の両者の投球内容は以下の通り。
〈菅野〉
6回4被安打1被本塁打0与四球5奪三振、自責点1
85球うちストライク58球 ストライク率68.2%
〈スキーンズ〉
6回4被安打1被本塁打2与四球8奪三振、自責点2
104球うちストライク63球 ストライク率60.6%
奪三振数から見る通り、打者を圧倒する力ではスキーンズが上だが、菅野は7割近いストライク率。四球を出さず失投を最小限に抑え、6回を投げ切ったのだ。今季の球種別の投球データをMLB公式サイトの「STATCAST」で見ると両投手の違いが一層鮮明になる。各球種の投球数(比率)、平均球速、奪三振数。
〈菅野〉
フォーシーム:283球(21.9%)148.4km/h 14奪三振
スプリッター:260球(20.1%)139.9km/h 15奪三振
シンカー:235球(18.1%)148.4km/h 3奪三振
スライダー:152球(11.7%)137km/h 9奪三振
スイーパー:140球(10.8%)134.9km/h 2奪三振
カッター:139球(10.7%)143.1km/h 2奪三振
カーブ:86球(6.6%)128.4km/h 1奪三振
〈スキーンズ〉
フォーシーム:556球(38.2%)156.1km/h 48奪三振
チェンジアップ:251球(17.2%)142.9km/h 22奪三振
スイーパー:227球(15.6%)135.3km/h 10奪三振
シンカー:176球(12.1%)155.6km/h 6奪三振
スプリッター:163球(11.2%)150.5km/h 7奪三振
スライダー:73球(5%)139.2km/h 14奪三振
菅野は速球とスプリッターをほぼ同数投げている。150km/h未満のフォーシームで三振を奪うのは難しいから同じ球筋から落ちるスプリッターを武器にしているのだ。シンカー、スライダー、スイーパー、カッター、カーブと多彩な球種を繰り出して打者を抑えている。
これに対してスキーンズの投球の4割近くがフォーシーム。この球で三振を稼いでいる。そして球速差で打者をほんろうするチェンジアップ、さらにスイーパー、シンカー、スプリッタースライダー、と投げているが「落ちる球」で勝負はしていない。パワーピッチャーの典型的な配球だといえる。
今季のスキーンズはフォーシームの球速が2km/hほど落ちており、前年よりやや成績を落としている。それでもサイ・ヤング賞候補の1人である。
大谷、朗希のような剛球はなくても
一方の菅野には大谷翔平、佐々木朗希のような160km/h超の速球はない。しかし長年、プロ野球の第一線でエースを張ってきた度胸と、打者を退ける投球術がある。そのマインドとテクニックは、MLBでも十分通用するのだ。
目立たないが、菅野も「日本野球のレベルの高さを証明した」選手の一人ではないだろうか。

