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「まだ50代なので頑張って」羽生善治55歳“タイトル挑戦者決定戦で5連敗”もなぜ「心が折れない」か…大山康晴という存在がモチベーション 

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田丸昇

田丸昇Noboru Tamaru

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photograph bySankei Shimbun

posted2026/06/15 11:01

「まだ50代なので頑張って」羽生善治55歳“タイトル挑戦者決定戦で5連敗”もなぜ「心が折れない」か…大山康晴という存在がモチベーション<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

第67期王位戦挑戦者決定戦での羽生善治九段

 その典型的な例が、今年の5月1日に行われた羽生九段と服部慎一郎七段(26)とのヒューリック杯第97期棋聖戦挑戦者決定戦。

 羽生は中盤で角を捨てる大胆な一手で自陣を受けると、攻勢に転じて優勢になった。終盤で服部に猛追されたが、玉がきわどく逃れた。しかし残り1分の秒読みの局面で、即詰みを逃してしまった。

 羽生はまったく気づかなかった。終局後に服部に指摘されると、「そうか。4五竜でね……」と声を上げた。

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 なお本譜では、羽生は同じように竜で迫ったが、後手玉はわずかに詰まなかった。

まだ50代なので頑張っていく必要が

 それにしても挑戦者決定戦で勝ち筋を続けて逃すと、通常は「心が折れて」しまうものである。しかし羽生は厳しい現実を受け止め、可能性を追い求めて再起を図っている。

 棋聖戦の服部戦の終局後には、「一局一局の積み重ねなので、これからも変わらず全力で取り組みたいと思います」と前向きに語った。

 羽生が将棋連盟会長だった2024年度の公式戦の成績は21勝23敗(0.477)。順位戦ではB級2組に降級してしまった。会長の公務はやはり負担になったようだ。25年6月に連盟会長を退任したときは、「まだ50代なので、棋士として頑張っていく意欲があります」と語った。

 その羽生の言葉どおり、将棋の研究に充てる時間が増えたことで、25年度の公式戦の成績は32勝18敗(0.640)と「V字回復」を果たした。26年度も6月7日時点で10勝2敗(0.833)と高い勝率だ。2敗は前述のように、勝ち筋を逃した棋聖戦と王位戦の挑戦者決定戦である。

伊藤匠との練習将棋も

 羽生は2017年に「永世七冠」の偉業を達成した。しかし過去の栄光や経験にとらわれず、現代将棋に対応する努力を行っている。また、羽生からお願いして伊藤二冠と練習将棋を続けている。

 現代の棋士にとって、AI(人工知能)による研究は必須である。羽生も発想の幅を広げる、評価が分かれる局面でのセカンドオピニオンとして活用している。ただAIが示す最善手だけでなく、マイナス評価の手もあえて調べることもあるという。

【次ページ】 大山を目標にすることがモチベーションに

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