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「本田圭佑みたいだ」衝撃発言から3年半…生意気な高校生が日本代表W杯戦士に「尖らなくなったら負け」慶応大休学→欧州移籍・FW塩貝健人21歳の挫折と野心
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安藤隆人Takahito Ando
photograph byKiichi Matsumoto
posted2026/06/01 11:05
W杯前、国内最後の強化試合となったアイスランド戦に途中出場した塩貝健人(21歳)。短いプレー時間ながら、相手に向かっていくギラついた目つきと強気の姿勢が期待を増幅させた
前半10分、味方の浮き球の縦パスをペナルティーエリア内でDFを背負いながら受けて右足でシュートを打てるようにターン。これに反応した相手DFがシュートブロックに足を出した瞬間を見逃さなかった。停止して右足で鋭く切り返すと、バランスを崩しながらも左足を振り抜く。シャープなスイングから放たれたシュートは、弾丸ライナーでゴール左隅に突き刺さった。1-2で迎えた後半13分には右CKの流れから、味方のシュートをDFがブロックしたこぼれを見逃さずに冷静に右足でゴールを奪った。
ゴール以上に印象深いのは、その後のパフォーマンスだった。塩貝は2点目を決めたあと、ゴールネットに突き刺したボールを味方から奪い取って両手で抱えると、そのままラグビーのようにハーフラインまで抱えて疾走。抱きつきにくる仲間たちを次々とよけて、そのままダイビングをしてセンタースポットにボールを『トライ』した。
ラグビーの強豪校として知られる國學院久我山の応援席が、大いに沸いた。
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「ずっとどこかで(ゴールパフォーマンスとして)やってやろうと思っていたんです。目立たないと自分の名前は知られないですから」
周囲の目には突飛な行動に映ったかもしれない。だが、「自分をアピールしたい」「注目されるだけ燃える」という言動は、見せかけではなく本物の自信から生まれたものだった。当時はすでに慶應義塾大学への進学が決まっていたが、「もっと早くこのインパクトを受けていたら絶対に獲得に動いていた」と悔しがるスカウトがいたように、隠しきれない塩貝の野心は、プロの目をも惹きつけた。
転機になったサガン鳥栖の練習参加
全国行きの切符を獲得して選手権でベスト16という成績を残した塩貝は、その後も瞬く間に階段を駆け上がって行った。
大学1年目は関東大学リーグ3部ながら15ゴールをマークして得点王に輝き、慶應大を1年で2部復帰に導いた。その冬の2024年1月には早くも横浜F・マリノスへ2027年から加入することを発表。特別指定選手としてプレーすることが決まると、「大学在学中にJ1リーグ得点王を取りたい」と、ここでも明確に目標を口にした。
何者でもない大学生の発言にしてはかなり強気だが、その裏には自分の立ち位置をシビアに見つめる冷静さもある。
選手権後にサガン鳥栖の練習に参加した際、「何もできなかった。スピードや前への推進力など自分のアピールポイントも出す前に潰されてしまうし、そもそもプロとしての強度に全然適応できなかった」と現実を突きつけられた。すると彼はそれ以降の他クラブからの練習参加オファーをすべて断り、「大学での半年間は鳥栖で得たプロの基準を持って自分とひたすら向き合い続けて、夏休みにもう一度挑戦する」とビジョンを立て直した。自信をつけた上で横浜FMの正式オファーを勝ち取っている。
「日本で手こずっているようじゃ、海外は目指せない。日本に来ている外国人選手は強烈なライバルであり、壁だとみんなは言いますが、海外に行けば僕らも外国人選手。より厳しい目で見られますし、そこで中心になっていかないとすぐに日本に戻るような状況になってしまって、そこからステップアップすらできなくなる。だからこそ、良い外国人ストライカーがいるからとか関係なく、そこを打ち破って上に行く気持ちでやらないと意味ないですから」
宣言通り、2024年4月に特別指定選手としてJ1デビューを飾ってすぐにゴールを決めると、さらに驚かせたのはその後の決断だった。


