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「欲がない勝負師、そうですね(苦笑)」39歳のA級最年長棋士がAI依存を捨てて…羽生善治の「懐の深さ」に見た将棋の本質とは〈広瀬章人インタビュー〉
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大川慎太郎Shintaro Okawa
photograph by日本将棋連盟
posted2026/06/07 17:00
順位戦A級復帰を決めた広瀬章人九段。39歳の今、将棋界の最前線で考えていることとは
「最近、大きな将棋を負けても、そういう気持ちにはならないですね。まあでも競り負けたとは思いました。羽生さんの懐の深さを感じましたし、昔、羽生さんとたくさん指してたくさん負けた時のことをまた思い出しましたね。終盤では羽生さんの手が激しく震えていましたし」
55歳の伝説…羽生の震えに見た勝負魂
――このインタビューのテーマは、「年齢論」です。39歳の広瀬さんは、6月に開幕する順位戦A級の最年長棋士になります。ちなみに羽生九段は55歳ですが、棋聖戦のパフォーマンスを見てどんなことを思いましたか?
「私が言うのも偉そうですけど、間違いなく現代将棋に適応されています。その将棋では序盤で自分が選ばなかった激しい変化があって、それを認識するにはAIの裏付けが必要だと思うんですけど、感想戦ではきちんと把握されていたような雰囲気でしたから。普通に角換わりの最先端を指されている時点で、流行に適応されていると思います」
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――羽生九段の中、終盤の指し回しはいかがでしたか?
「変わらずというか、レジェンドは1回形勢がよくなったら簡単に負けないです。だから50代半ばでも活躍されているんですね」
――羽生九段は広瀬さんに勝って8連勝となりました。最近の勝ちっぷりには気づいていましたか?
「広瀬に勝って8連勝、みたいな感じの記事を対局後に目にしました(笑)。自分との将棋もそうですけど、その直前に指された王位リーグの佐々木大地七段との将棋はすごかったですね。佐々木七段が先手角換わりから早繰り銀の定跡形に構えたのですが、予想していたかどうかはわからないんですけど、研究手順なのは間違いなくて、結果的に快勝されていましたから。永瀬拓矢九段のようにノータイムの連続で進めるわけではないので、本当に研究かどうかやや微妙なところもあるんですけど、研究でないとしてもその場で対応しているわけですからね」
羽生善治が見せる現代将棋への答え
――広瀬さんの話に入ります。前期はB級1組順位戦で11勝1敗という圧巻の成績でA級復帰を決めました。前期の順位戦をどう総括しますか?

