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「なぜボランチ選出は4人なのか?」守田英正と藤田譲瑠チマが“サプライズ落選”ではなかった理由「単純な人数ではない」選考に見えた、森保ジャパンの論点
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矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byAFLO
posted2026/05/18 06:09
W杯を戦う森保ジャパンのメンバーから外れた守田英正
時折、言葉を絞り出すような場面もあった。メンバー発表直後に目を潤ませていた理由を問われると、「ワールドカップの舞台に立ちたいと思っていても、その思いを叶えてあげられなかった選手たちのことを考えると」と率直に明かした。
実際、今回の選考は極めて難しかった。直前になって三笘薫が負傷離脱。さらに昨年12月に前十字靱帯を負傷している南野拓実が選外となった。一方で、手術後の復帰段階にある遠藤、長期離脱後から復帰して以降も公式戦でフル出場のない冨安は選出された。
普通に考えれば、リスクを避けたくなる選考だ。しかし森保監督は、コンディションに不安を抱える選手を含めても、「今のベスト」と言い切った。
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「これまでの活動を通して、コーチ陣と何度も議論して『今のベストはこれだ』ということで選ばせていただきました」
その言葉に迷いはなかった。
“ボランチへの不安視”にキッパリ答えた
特に象徴的だったのがボランチ構成への質問だった。本職として数えられるのは遠藤、鎌田、田中碧、佐野海舟の4人。しかも遠藤は復帰途上である。
当然、不安視する声は出る。だが森保監督は毅然としていた。
「板倉滉はアヤックスで直近の試合はボランチとして出ていますし、瀬古歩夢もセンターバックをやりながら少し前はボランチでのプレーが多かった」
つまり、単純な人数ではなく、“チームとして成立するか”を基準にしているということだ。
板倉のボランチ起用は決して奇策ではない。過去の日本代表でも中盤でプレー経験があり、高さを生かしたプレーを見せていた。ワールドカップのような短期決戦では、終盤に相手がパワープレーへ移行するケースが増える。その際、板倉が中盤のフィルター役としてロングボールを跳ね返すことができれば、日本にとって大きな武器になる。瀬古にも同様の期待がかかる。守備強度を保ちながら中盤に立てる選手がいることで、森保監督は登録枠をより攻撃的に使える。
守田に関してはここ1年呼ばれていなかったとはいえ、欧州チャンピオンズリーグでハイパフォーマンスを見せているだけに最後の最後に返り咲くかもしれないという意見もあったし、藤田に関しても今季のブンデスリーガでの成長は著しく、メンバー入りすれば必ず勝利に貢献する力はあるが、森保監督は複数ポジションを担える選手でチームを構成することを選択した。その発想こそ、今回のメンバー選考の特徴と言える。

