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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「涙の謝罪」三笘薫が仲間の前で泣いた日…恩師が語る“ジャイキリ伝説前夜”の退場劇「W杯絶望か」今だから知りたい逆境に強い三笘薫の原点
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小井土正亮Masaaki Koido
photograph byKoji Watanabe/Getty Images
posted2026/05/15 11:03
サッカー日本代表に激震が走った三笘薫の負傷
試合後、彼が泣きながら、仲間に謝罪している姿を見て、相当、悔やんでいる様子が受け取れました。2度の警告はいずれも悪質なものではありませんでしたが、軽率であることは間違いなく、批判されてしかるべきだったと思います。
ここで指導者である私がどのような対応をとるべきか。
すぐに次のチャンスを与える。しばらく精神的に落ち着くまで様子を見る。
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いろいろな方法があったかとは思いますが、私はまずは彼の普段の取り組みの様子を見たうえで、それからしかるべきタイミングで復帰をさせたいなと考えていました。
彼の場合は、それほど感情の上下を表に出すタイプではないので、その後も変わらず淡々と普段のトレーニングを行っている様子でした。しかし、その内側では沸々とした想いを抱えていたことは容易に想像できます。
その後の数試合、リーグ戦ではサブメンバーで控えさせておきながら、どこかで彼のいろんな想いを爆発させてあげたいと思っているなかで訪れたのが、天皇杯2回戦のベガルタ仙台戦でした。
天皇杯・仙台戦で無双した三笘のドリブル
チームとしてはリーグ戦の中日の水曜日にアウェイで行われる試合で、全体としては疲れている状況。ここで、一人で状況を打開できる彼がいれば、プロ相手にも何とか押し返していけることができるという見立てでした。
結果的には、前半に、自陣からの60m近いドリブルから先取点を奪い、後半にはチームとして勝利を決定づける3点目となるきれいなミドルシュートを決めてくれました。
1試合で2点取ったのは4年間でこの試合だけではないでしょうか。
人は悔しい思い、痛い経験をしたときにこそ成長します。
その想い、経験から自身のこれまでを振り返って、あらためてやらなければいけないことにフォーカスを当てるための時間にできるかどうか。
そして、その成果を試す場を与えられるかどうかにかかっていると感じます。
それは私にもまったく当てはまる経験です。
挫折を味わっているなというときこそ、成長のチャンスだと思って指導者がうまく関わってあげられるといいなと思います。〈全2回/前編から読む〉
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