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「もっと速くなればファクトリーにも勝てる」MotoGP初表彰台達成の小椋藍が掲げるさらなる進化への課題と、タイトル獲得の可能性
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遠藤智Satoshi Endo
photograph byGetty Images
posted2026/05/13 11:05
フランスGPで3位フィニッシュし、拳を突き上げる小椋
今大会の初表彰台獲得は、“フラッグ・トゥ・フラッグ”で行われた2012年のバレンシアGPで中須賀克行が2位になって以来、日本人としては14年246戦ぶり。ドライコンディションでは2006年のオランダGPで中野真矢が2位になって以来、20年361戦ぶり。日本勢にとって、最高峰クラスでの長い空白期間に終止符を打つことになった。
藍はMotoGPクラスの戦いについて、「スタートしてから4、5周は、みんなすごい走りをする。それ以降は、もうこれでレースが終わったのかという落ち着いた走りになってしまう。自分にとっては、さあ、これからという感じなんですけどね」と語ったことがある。
その「すごい走り」は、Moto3やMoto2とは比べものにならないハイレベルで繰り広げられるが、その戦いにもだいぶ慣れてきたのだろう。藍は今年の成長の要素を「アプリリアのマシンが良くなったこと、そして自身のライダーとしての成長」と語っていたが、その言葉はアプリリア史上初の表彰台独占と藍の初表彰台獲得として結実した。
タイトル獲得の可能性も
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MotoGPクラスの現役レギュラーライダーの“初表彰台”までの記録を調べると、ジョアン・ミルが20戦目、フランチェスコ・バニャイアが21戦目で、藍の23戦目はチャンピオン経験のある2人と遜色がない。“初優勝”の記録ではマルク・マルケスの2戦目がズバ抜けているが、ファビオ・クアルタラロが20戦目、ミル31戦目、バニャイア42戦目となる。今季、藍が初優勝を遂げれば歴代の世界チャンピオンたちと同じ軌跡をたどることになるし、タイトル獲得も現実味を増すことになる。
「自分がもっと速くなれれば、ファクトリーチームのアプリリアにも勝てると思う。厳しいけれど挑戦していく」
ル・マンでファクトリーの2人との差をぐっと縮めた藍の、さらなる快走に期待したい。
