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「もっと速くなればファクトリーにも勝てる」MotoGP初表彰台達成の小椋藍が掲げるさらなる進化への課題と、タイトル獲得の可能性

posted2026/05/13 11:05

 
「もっと速くなればファクトリーにも勝てる」MotoGP初表彰台達成の小椋藍が掲げるさらなる進化への課題と、タイトル獲得の可能性<Number Web> photograph by Getty Images

フランスGPで3位フィニッシュし、拳を突き上げる小椋

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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 MotoGP参戦2年目の小椋藍が第5戦フランスGPで3位になり、最高峰クラス初表彰台を獲得した。今季はウインターテストから大きな成長を感じさせ、開幕戦から初表彰台獲得に常に手が届くレースをしてきた。第3戦アメリカズGPでは猛烈に追い上げたが、3位にポジションを上げる目前にマシントラブルでリタイア。歯がゆい思いをしてきただけに喜びもひとしおだった。

 戦いを終えた藍は満面の笑みを浮かべた。2024年にMoto2でタイトルを獲得したときは喜びを全身で表現したが、それは大きなプレッシャーの中で「やっと手に入れた世界チャンピオン」に対する安堵の意味合いが大きかった。だが、最高峰クラス23戦目(グランプリ通算134戦目)の表彰台では、心の底から湧き上がる喜びを抑えきれない様子だった。

「なんと言っていいのかわからない。信じられない気持ちです。序盤からアタックしたけれど、いくつかポジションを落としてしまい、そこから挽回しなければなりませんでした。簡単なレースではなかったけれど、終盤は良いペースで走れた。MotoGP初の表彰台……本当にうれしい。ただただ素晴らしい気分です」

トップに0.874秒差

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 予選で9番手だった藍は、マルク・マルケスのケガによる欠場で8番グリッドから好スタートを切った。その後、7台に膨れ上がった4位争いの中で8番手までポジションを落とすが、終盤、藍の真骨頂でもある素晴らしい追い上げを見せ、優勝したホルヘ・マルティン、2位のマルコ・ベッツェッキの背後に迫って、トップからわずか0.874秒差の3位でフィニッシュ。「あと3周あればベッツェッキもかわせたかもしれない」という快走で、アプリリアにとっては初の表彰台独占となった。

 スタートからゴールまで安定したペースを刻んだ。1周4.185kmのル・マンはタイム差が出にくいコースレイアウトで、予選Q2では出場した12台がすべてトップから1秒差につけたほど。決勝も接戦となり、上位陣はレース周回のほとんどを1分31秒台で走った。優勝したマルティンと2位のベッツェッキは終盤1分32秒台に落としたが、藍は終盤になっても1分31秒台をキープ。その走りが終盤の猛烈な追い上げにつながった。

【次ページ】 ル・マンきっかけの飛躍の歴史

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