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ボクシングPRESSBACK NUMBER
「井上尚弥君と中谷潤人君の動向で世界戦のチャンスが変わる」“タパレスに勝った男”の意外な視点「井上君という嵐が過ぎるのを待ってます(笑)」
text by

杉園昌之Masayuki Sugizono
photograph byHiroaki Finito Yamaguchi
posted2026/05/11 06:03
同階級で世界を見据える現役選手からすると、井上尚弥と中谷潤人の世紀の一戦はただ「すごい試合」というだけではない意味を持つという
「ベルトが返上され、4つの王座が空位になれば、それぞれ王座決定戦が行われますよね。3団体(WBC、WBA、WBO)で1位にランクされている中谷君、IBFの1位にいる西田凌佑(六島)君が仮にそれぞれベルトを取っても、あと2本は残る。僕の場合は可能性があるのはWBO」
井上の動向を見つつ世界戦のチャンスを窺う
現在、小國はWBOスーパーバンタム級の世界ランク6位だ。上位陣を見ると、2位はカール・ジェームス・マーティン、3位のジェルウィン・アンカハス(ともにフィリピン)は4月に対戦予定だった相手。4位は井上とも戦ったルイス・ネリ(メキシコ)、5位はフェザー級に転級した下町俊貴(グリーンツダ)。
それぞれの動向を気にしながら、虎視眈々と世界戦のチャンスを窺う。もちろん、思いどおりにことが運ぶとは限らない。アメリカの老舗専門誌『ザ・リング』などが報じているように井上が同階級に残り、PFP4位のジェシー・“バム”・ロドリゲス(アメリカ)との対戦が実現の方向で動けば、また話は変わってくる。
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「そうなれば、1年くらいは台風が過ぎ去るのを待たな、あかんなって。世界戦を見据えるなら、弱い相手とばかり試合をしていると、自分のレベルが落ちてしまうんで、それなりの強い相手と戦っていかないといけない。ここ2、3年、僕が良かったのは勝ったり、負けたりしつつも世界ランカーとずっと戦ってきたから。いきなり世界トップクラスと戦えば、リングの上で予想外のことが起きてしまうので。この予想外が一番怖い。あの井岡一翔ですら、そうなれば、巻き返せなかったので」
ファイトマネーの相場は上がっている
厳しい道のりになる可能性もあるが、再び世界の頂点に立つ目標はブレない。行き着く先で手にする見返りも大きい。井上尚弥が日本ボクシング界をけん引し、マーケットの規模は拡大している。東京ドーム興行は『Lemino』でPPV(ペイバービュー)配信され、井上尚弥、中谷、井上拓真らのファイトマネーは過去最高額だったという。井上は何十億円、挑戦者の中谷も数億円という数字が、多くのメディアを騒がせた。2人は別格ではあるが、有料のネット配信時代になり、総じて試合報酬の相場は上がっている。

