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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「取材はほぼゼロ」阪神で出場機会が激減、自身初の開幕2軍のナゼ…「それでも腐るような雰囲気が全くない」記者を驚かせた梅野隆太郎34歳の今
text by

佐井陽介Yosuke Sai
photograph bySankei Shimbun
posted2026/05/11 17:01
自身初の開幕2軍から、1軍昇格を果たした阪神・梅野隆太郎(34歳)の今
のちにWBCメンバーにも選ばれる坂本がゲームキャプテンに就任し、リーダー格の立場を不動のものにした。一方で、球団は経験豊富なベテランの伏見寅威を日本ハムからトレードで獲得した。たった1つしかないスタメンマスクを巡る競争は激化の一途をたどった。スポーツ新聞やインターネット記事に「梅野」の見出しが躍る機会はめっきり少なくなった。
「今の立場で大きなことは言えないですけど…」
今年2月はプロ13年目で初めて主力が中心となる沖縄・宜野座キャンプを離れ、10歳以上も年下の若虎たちと具志川キャンプで汗を流した。3月には22歳の育成捕手・嶋村麟士朗が支配下登録され、さらに捕手枠が削られた。梅野はとうとう1軍のオープン戦に1試合しか出場できないまま、開幕日を初めて2軍で迎えた。
弱肉強食のシビアな世界に生きるプロ野球選手は皆、自身の立場の移り変わりに敏感なものである。もちろん梅野も自分がかつてない苦境に立たされている現実は、しかと受け止めている。それなのに腐るような雰囲気を全く漂わせないから、取材する側は時に驚かされる。
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「去年と今年ではまたちょっと違った立場であることは理解しています。本当に初めての経験になっていると思います。でも、使ってもらえるかどうかは自分で決められることではない。今の立場で大きなことは言えないですけど、与えられた場所で頑張ることが一番だと考えています。結局、やることは変わらないので」
なぜ心を折らずにいられるのか。
素朴な疑問をぶつけたくなった。
すると、梅野はしみじみと言葉を紡ぎ始めた。《後編につづく》
