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森保一は「欧州で唯一知られた日本人監督」ベルギー上位クラブCEOが明かす“W杯後就任オファー”の真意「理想を言えば日本人が半分で…」
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佐藤景Kei Sato
photograph byKiichi Matsumoto/JMPA,Kei Sato
posted2026/05/10 11:05
現日本代表の森保一監督に、STVVがカタールW杯後就任オファーを出していたことが話題になった。立石敬之CEOが語る真意とは
「恐怖心は人間の判断を遅らせたり、誤らせたりするものですが、無くすことは難しい。でもそれは、みんなが持っているものなので、『相手が何をされたら、自分たち以上に恐怖を感じるだろう』と考えました。少なからずサッカーの世界で生きてきて失敗も成功も両方経験してきた中で、そういう感覚は養われているのかもしれません。確かにリスクはありましたが、私が判断を下した以上、責任は私にある。どちらにせよ、結果が悪ければ失うものがある中で、何もせずに悪い結果を招くことと、本当の意味ではどちらのリスクが大きいのか。私は変えないリスクの方が大きいと思いました」
上位クラブの露骨な嫌がらせを受けたことも
ヨーロッパで戦う難しさを味わったのは24‐25シーズンだけでない。たとえば立石CEO就任直後の2018−2019シーズン、STVVは終盤まで5位につけ、プレーオフ1進出の可能性を残していた。しかし、2019年2月、リーグ理事会で突如として「人工芝の使用禁止」が提案される 。本拠地であるスタイエンの人工芝がSTVVの好成績に寄与しているという調査結果に基づくものだったが、リーグ戦27試合を消化し、プレーオフ1進出を目前に控えたこの時期の提案は、上位クラブによる露骨な〈嫌がらせ〉と言えるものだった。
結局、そのニュースとともにチームは失速してしまう。結果、2ポイント足りず、上位6チームには入れず。レギュラーシーズンは7位となり、プレーオフ2に回ることになった。
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あのときの悔しさを糧に、安定した経営実績を積み上げ、STVVはリーグにおけるプレゼンスを高めていった。そして今シーズン、ついにヨーロッパのカップ戦出場権を手にする位置へとたどり着いた。
「最後はどうなるかわかりませんが、手応えを得られたシーズンではあります。ここからさらに、という思いも当然、持っています」
選手だけでなく指導者とスタッフも日本人を
まだ、2つ目の目標達成のため戦っている途中だが、就任当初から立石CEOが掲げている目標には実は3つ目が存在する。それは〈欧州で通用する日本人の監督、コーチ、フロントスタッフ、経営者を育てる〉というものだ。立石CEOが言う「さらに」という言葉が指すところだろう。
「指導者養成の部分は、現時点ではまだまだです。整備を来年あたりからできるのかどうか。昨シーズンがそうでしたが、チームの成績が悪い時は、そこに集中することになる。でも今シーズンのように、しっかり数字を残してくれる時期が来れば、他のところに力を割けます。結局、トップチームの成績が安定している時に次の手を打ちにいくものなので」
例えば、STVVに日本人指導者を招くことはあり得るのか。率直に聞いた。

