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井岡一翔37歳が苦しめられた“ふたつの壁”「立派でした。ただ…」長谷川穂積が絶賛した井上拓真の“たまらない技術”「那須川天心も強くなったが…」
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渋谷淳Jun Shibuya
photograph byNaoki Fukuda
posted2026/05/07 17:04
5階級制覇を目指して井上拓真に挑んだ井岡一翔。だが、拓真の圧倒的な技術の前に偉業を阻まれる結果となった
那須川天心と再戦の可能性…長谷川穂積の見解は?
最終スコアは120-106、119-107、118-108。戦前、このスコアをだれが予想しただろうか。
拓真本人は勝利のカギにジャブを上げた。ジャブが得意な井岡相手に勝利するためには「ジャブで五分以上の戦いをする」(井上真吾トレーナー)が絶対条件だったという。言葉通り拓真はジャブでも自らが「レジェンド」と呼ぶ井岡を上回った。長谷川さんはそんなチャンピオンを「今回の試合で二皮も三皮もむけた」と絶賛した。
昨年11月の那須川天心(帝拳)戦で株を上げた拓真が井岡戦でさらに評価を高めたということだ。次戦は発表されていないものの、4月のWBC挑戦者決定戦で那須川が元2階級制覇王者のビッグネーム、フアン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)を下して指名挑戦権を獲得している。拓真は統一戦が第一希望のようだが、那須川について「決まれば前回同様倒すだけ」と受けて立つ構えだ。長谷川さんは両者の再戦について次のように語った。
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「天心選手はエストラーダ戦で生まれ変わった姿を見せました。強くなったと感じさせました。ただ、それは拓真選手も同じで、しかも相当にレベルが高い。拓真選手はかなりの強敵です。もし再戦するとなったら天心選手にとって大きな壁になるでしょう」
5階級制覇ならずの井岡にもエールを送ってもらった。
「井岡選手は最後まであきらめずに前に出て、実績のある元チャンピオンとしてのプライドを見せました。立派でした。ただこの階級ではちょっと厳しいのか、と思った人がいたことも事実だと思います。これまでに多くの功績を残してきた井岡選手ですから、ゆっくり休んで、今後のことは決めるのでしょう」
バンタム級は拓真がWBAベルトを明け渡した堤聖也(角海老宝石)がいて、3月のWBA挑戦者決定戦でノニト・ドネア(フィリピン)に勝利した増田陸(帝拳)もいる。井岡を退け、頭一つ抜けた印象の拓真が今後のバンタム級戦線をリードしていきそうだ。
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