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中谷潤人が眼窩底骨折、井上尚弥“あの右アッパー”には2つの伏線があった…「衝撃のシーンでした」怪物と最も拳を交えた男が驚いた、井上の“ある動き”

posted2026/05/07 11:04

 
中谷潤人が眼窩底骨折、井上尚弥“あの右アッパー”には2つの伏線があった…「衝撃のシーンでした」怪物と最も拳を交えた男が驚いた、井上の“ある動き”<Number Web> photograph by Hiroaki Finito Yamaguchi

11ラウンド、勝敗を決定づけた井上尚弥の右アッパー

text by

森合正範

森合正範Masanori Moriai

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Hiroaki Finito Yamaguchi

「怪物と最も拳を交えた男」の目に“世紀の一戦”はどう映ったのか――。5月2日、井上尚弥が中谷潤人から12回判定勝利を収めた。井上のプロテストの相手役を務め、井上、中谷両者と長年にわたりスパーリングで拳を交えてきたのが、元日本2階級制覇王者の黒田雅之だ。

インタビュー後編では、黒田氏が「衝撃のシーン」と語る井上の動き、試合を決定づけた11ラウンドの右アッパーなどを解説してもらった。《NumberWebインタビュー全2回/前編から続く

◆◆◆

黒田氏が驚いた「井上の衝撃シーン」

――中谷選手は距離を潰した接近戦に手応えはあったと思いますか?

「会心というか『いける』という手応えはなかったように感じます。全部、井上選手の考えの中にあるというか。ただ、それでも中谷選手は8ラウンド以降、素晴らしい闘いを見せてくれました。井上選手に対してあそこまでポイントを取るっていうのも凄いし、実際ヒッティングもしていたし、すごく良かったと思います。ただ……」

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―――ただ?

「9ラウンド中盤、井上選手は前足を相手の外側に出して(時計回りに)回り始めたんです。俗に言うサウスポー対策、一番のセオリーです。指導者は『外を取れ』と言いますよね。前足を相手の外側に出して背中を取るように回る。でもそれって、リーチが長くて懐が深い選手のほうがはるかにやりやすいんですよ」

――というと、中谷選手のほうが外側のポジションを取りやすいと。

「はい。なぜサイズの小さい井上選手が、長身でリーチの長い中谷選手に対して、あれをやれているんだろう。アウトボクシングというか、距離を取って、ポジションで勝って、ジャブの差し合いで勝っている。この試合で一番、なんでこれができるんだろう、という衝撃のシーンでした」

【次ページ】 試合中盤、井上は戦術をガラッと変えていた

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