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幼少期から「大阪桐蔭で野球がしたい」と…センバツ決勝で150球15奪三振の熱投 192cmの“怪物左腕”川本晴大とは何者か?「誘いが来て、迷わず決めました」
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田口元義Genki Taguchi
photograph byJIJI PRESS
posted2026/04/03 06:00
センバツで4年ぶりの優勝を果たした大阪桐蔭の川本晴大。まだ2年生ながら、今大会では躍進を見せた
近年ではチェックポイントが少なく、相手に癖を見抜かれづらいといったことから、ランナーなしでもセットポジションで投げる高校生が増えた。しかし、川本は大きく振りかぶるワインドアップモーションでボールを投じる。
この豪快さこそが持ち味なのだと言わんばかりに評すのが、監督の西谷浩一である。
「ボールを気にせずに思い切り球を離せることが、彼のいいところです。コースが暴れながらもしっかりまとめてくれるので」
ボールを受ける相棒捕手が感じる川本のスゴさは?
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監督の評価を選手目線で解説するのが、キャッチャーの藤田大翔だ。川本の特性を活用しながらこのように導くという。
「川本の場合は吉岡と違ってボールに角度があります。真っすぐはまあ、暴れることもあるんですけど基本的にはコースに投げられるんで。その“荒れ球”も生かしながら変化球を交えて、相手バッターに的を絞らせない配球を意識するようにしています」
ボールが暴れながらも投げ切れる。
他者が認めるストロングポイントを川本自身も承知する。だからこそ「ボールが指にかかっているとコースも質も結構いい」と、マウンドでは指先に意識を集中させられる。
この1球と共鳴させるのが闘争心である。両者の高鳴りが、マウンドの川本を強くする。
「僅差とかだと特にそうなんですけど、自分が抑えたら味方が点を取ってくれたり逆転してくれたりするんで。『自分がゼロに抑えていい流れを作る』って思いながら投げてます」
川本が示す、揺るぎなき自信。
センバツで自己最速を更新する149キロをマークした逸材は、名門のマウンドに立つ誇りをてらいなく言ってのける。
「吉岡さんがエースですけど、自分も負けないようなピッチングをしたいです」
大阪桐蔭が見据える、3度目の春夏連覇。
カギを握るのは、2年生ビッグマンのロマン溢れる剛速球なのかもしれない。

