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猛練習で“新入部員0人”「ショック…両耳から耳鳴りが」甲子園出場“5年前の事件”、33歳監督の挫折…高知農業が21世紀枠で選ばれた本当の意味

posted2026/04/04 11:01

 
猛練習で“新入部員0人”「ショック…両耳から耳鳴りが」甲子園出場“5年前の事件”、33歳監督の挫折…高知農業が21世紀枠で選ばれた本当の意味<Number Web> photograph by Kota Inoue

5年前の新入部員は0人…高知農業が甲子園出場を果たすまで

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井上幸太

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今春の甲子園に21世紀枠で出場した高知農業。初戦で敗れるも「本当に幸せでした」と33歳監督は言った。その真意とは。密着記者が綴るウラ側。【全4回の2回目】

 今春の甲子園に出場した高知農業は初戦で敗れた。1対8。完敗だった。そもそもなぜ21世紀枠に選出されたのか。

1-8で完敗も…高知農業が選ばれた理由

 1月30日のセンバツ出場選考委員会で、21世紀枠特別選考委員のノンフィクション作家・佐山和夫氏は、高知農野球部の背景を、次の言葉で言い表した。

「Resilience(レジリエンス)」

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 元々は「復元力」を意味し、現在は「折れない心」の意で使われる英単語である。高知農は、一時は部員不足に喘ぎ、近隣他校との連合チームで公式戦に出場した時期があった。そこから単独出場にこぎつけ、昨秋は高知大会の準々決勝で、県を代表する強豪の明徳義塾と接戦を演じるまでに成長した。

 折れない心。それは選手減の時代から現在まで監督を務める、下坂充洋(33歳)にも当てはまる。

明徳義塾に善戦した農業高校…現地の様子     

 2月下旬、センバツを控えた高知農の練習を訪れた。選出直後からメディアで「楽しい野球」と喧伝された通り、練習は和気あいあいとしていた。シートノックでは、部長の森澤樹紀がノッカーを務め、締めのバックホームが決まらない選手を、すでに成功した選手がイジる。グラウンドは笑顔に満ちていた。

 ノックが終わり、打撃練習の準備を進めていたところで、グラウンドには一つピリッとした空気が流れる。監督の下坂の登場だ。今春に卒業した3年生の担任として、開催が迫った卒業式の予行があり、遅れての参加だった。     

 相変わらず笑顔は多いが、監督の登場により、チームに“一本の軸が通った”とでも言えば伝わるだろうか。見入っていると、下坂が練習時間について説明してくれた。

「平日は、片付け諸々を含めて3時間ぐらい。大体午後4時から子どもは動けるんですけど、まったり準備をするので、4時30分くらいにスタート。で、7時には終われるんですけど、まったり片づけをして7時半くらいには終わります」

高知農、33歳監督は何者か?

 高校時代の下坂は、高知県内では知られた選手だった。実力校・岡豊の正捕手として、2年秋の四国大会で4強入り。3年夏は県準決勝で、甲子園に出場した明徳義塾に敗退と、甲子園にあと一歩まで迫った。

【次ページ】 新入部員が消えて…「耳鳴りに」監督の挫折

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