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核心にシュートを!BACK NUMBER
W杯当落線上の191センチ20歳「僕はゴリゴリのセンターFWではなく」イングランド戦前に後藤啓介が“ケインの特異性”を「本当に理想」と目を輝かせた理由
text by

ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2026/03/31 18:40
W杯メンバー入りへ序列的にギリギリと言える後藤啓介だが、長身かつ器用なプレースタイルは特異性がある
最前線でゴールを奪うことだけを求めるのではなく、チームを機能させる“潤滑油”であること。それが後藤の理想とするプレーの姿だ。
FWというよりもボランチに近い
実際、初先発のスコットランド戦では、ポストプレーで味方にボールを落とす際にも、こだわりと思いやりをパスに込めた。
「落とすボールの位置で、メッセージを……『どこに進んでいってほしい』とか、『どこが空いているよ』と言うのを、落とすボールを通してだけでも伝えられると思うので。次の選手が、できるだけ前向きで良いプレーができるようにということと、ボールにメッセージを込めることを意識してやっています」
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〈パスにメッセージを込める〉
その感覚はFWよりもむしろ、ボランチのそれに近い。チームの心臓となり、攻撃の方向を指し示す役割。後藤はその仕事を、最前線に立ちながら担おうとしている。
後藤が憧れる“ケインの特異性”とは
そんな後藤が憧れてやまない選手がいる。イングランド代表のハリー・ケインだ。
現代サッカーにおけるケインの特異性は、単なる点取り屋に収まらない点にある。
ゴールを量産するストライカーでありながら、ときにボランチのポジションにまで下がってゲームを組み立てる。トップ下あたりまで降りる選手はいても、ボランチ、ときにはディフェンスラインの位置まで下がるFWはほとんど存在しない。ましてや、監督からそのプレーを許される選手となれば、世界でもほぼ皆無に近い。
その憧れの選手と、今夜は敵として同じピッチに立つ。こんな巡り合わせがあるだろうか。後藤はサッカー少年のように目を輝かせる。
「本当に理想ですし、バイエルンの試合を見ていますし、それを生で見られるというのはすごく楽しみな時間になると思います」
彼がケインに見ているのは、ゲームメイクの仕事だけではない。もちろん、ストライカーとしての凄さも感じている。

