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侍ジャパンPRESSBACK NUMBER
WBCで浮上した“日本プロ野球の問題点”…アナリストが指摘「情報戦で負けていた」「超投高打低の調整は急務」じつは韓国よりも低かった“あるデータ”
text by

曹宇鉉Uhyon Cho
photograph byNanae Suzuki
posted2026/03/30 11:27
ベネズエラ戦で最後の打者となり、グラウンドを去る大谷翔平。WBC後、多くの選手や識者が日本球界への提言を発している
「日本とベネズエラの戦力差はそれほどなかった」
――ベネズエラが初優勝を飾った今回のWBCですが、あえて結果を度外視して純粋な戦力をデータ的に比較した場合、日本はどのくらいの立ち位置にいたのでしょうか。
宮下 優勝こそ逃しましたが、アメリカとドミニカ共和国はまず間違いなく日本より上の戦力だったと思います。バッターのパワー、出塁能力、守備力、そしてピッチャーの球速。いずれの数値も日本よりも格上です。とりわけアメリカの野手陣は打撃力だけではなく、総合力が高かった。ボビー・ウィットJr.選手やピート・クロウ=アームストロング選手のような、守備も抜群にうまいメンバーを選んでいた。それだけ層が厚いということでしょう。
――では、ベネズエラはどうでしょうか。
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宮下 ベネズエラに関しては、敗れはしたものの、チーム全体の戦力にそれほど差はないのではと感じました。特に打撃力、パワーに関しては十分に戦える水準だったのでは。仮に10試合戦えば4勝はできそう、というくらいのイメージでしょうか。一発勝負ですから、日本が勝ち上がってアメリカと決勝で対戦する可能性も十分にあったと思います。
浮かび上がった日本プロ野球の問題点
――日本の多くの選手が「このままじゃまずい」と大会後にさまざまな提言を発しています。今後、優勝を目指すために、どのような改善策が考えられますか。
宮下 まずはNPBの環境ですね。ボールやストライクゾーンの影響は大きいと思います。現在の「超打低」のNPBの環境だと、バットに当てられても投手が不利になりにくい。打たせてアウトをとることができるので、三振を狙うインセンティブが失われます。そうなるとベネズエラ戦でもキーになった、MLBで三振を奪うときに使われやすい「ゾーンぎりぎりの高めの速球」を投げてカウントを不利にする選択肢はとりにくい。高めのストライクをあまりとってくれない傾向がありますからね。そして投手があまりそういう球を投げてこないと、バッター側も国際試合での対応が難しくなる。ベネズエラ戦で低めの変化球は打てたものの、高めの速球を打てなかったのは象徴的です。ここから2年、3年と同じような環境が続くと、完全にMLBの水準から置いていかれてしまう可能性はあると思います。

