野球クロスロードBACK NUMBER

「あの名門」が甲子園に15年ぶりに復活…チーム覚醒のキッカケは昨秋の“ある事件”「あり得ないことが起きてしまって…」必要だった「当たり前」の土台 

text by

田口元義

田口元義Genki Taguchi

PROFILE

photograph byGenki Taguchi

posted2026/03/19 06:01

「あの名門」が甲子園に15年ぶりに復活…チーム覚醒のキッカケは昨秋の“ある事件”「あり得ないことが起きてしまって…」必要だった「当たり前」の土台<Number Web> photograph by Genki Taguchi

2011年夏以来の甲子園出場となった帝京。覚醒のきっかけとなったのは、昨秋大会での「ある出来事」だったという

 帝京が雌伏の時を過ごしている間、時代は平成から令和となり、高校野球も様変わりを見せる。坊主が当然とされてきた髪型は寛容となった。練習メニューも選手たちで決め、監督が選手目線で接するといったようにフラットな上下関係を構築する――そんなチームは珍しくなくなっている。

 そういった新時代を迎えてもなお、帝京は「らしさ」を全うする。

「うちはね、他の高校さんよりも選手に厳しいほうだとは思っています」

ADVERTISEMENT

 金田は謙虚さをはらませながら「厳しい」という言葉を用いた。公にそのような振る舞いをさせてしまうのも心苦しいが、それは決して理不尽なものではない。監督が「当たり前」の水準が低いと判断すれば、とことん選手に植え付けさせるといった趣旨だ。

昨秋に起こった「ある事件」の中身

 徹頭徹尾の「厳しさ」が実を結んだのが、昨年の秋だった。

 チームは22年からコーチを務める細田悠貴が、独自の理論でバッティングの向上に力を注ぐことで「強打」が武器となっている。選手も中学時代に日本一を経験する“二刀流”の安藤丈二、1年生から中軸を担う目代龍之介など能力の高い逸材が多い。

 だが「当たり前」の面では未熟だった。

 新チームが始まり「日本一」を目標に足並みを揃えたものの、金田やコーチの佐藤秀栄に「まだ口だけ」と見透かされる。そんな状態でスタートした東京大会で、チームは失態を犯す。

【次ページ】 監督の決断が生んだ「チームの分岐点」

BACK 1 2 3 4 NEXT
#帝京高校
#金田優哉
#前田三夫

高校野球の前後の記事

ページトップ