大相撲PRESSBACK NUMBER
「稽古場では一番強い」「すでに三役クラス」“史上最強の新弟子”旭富士23歳とは何者か? “横綱の四股名”を異例の襲名…「4年半待った怪物」の正体
text by

荒井太郎Taro Arai
photograph byJIJI PRESS
posted2026/03/07 11:05
4年半の“研修期間”を経て初場所でデビューを果たした旭富士。7戦全勝で序ノ口優勝を飾り、番付は西序二段8枚目までジャンプアップした
観客の前で噛みしめた“4年半ぶんの喜び”
場所中はノーコメントを貫いた旭富士だったが、千秋楽で蒼富士との同部屋同士の序ノ口優勝決定戦を制すると初めて報道陣に口を開き「うれしかったです。稽古場をイメージして、あまり緊張はしなかった」と淡々と喜びを語った。
この先、ケガもなく番付運にも恵まれれば、史上最速の前相撲から所要5場所での関取昇進、さらには元小結常幸龍の持つ序ノ口デビューから27連勝の記録更新の期待も懸かる。だが本人は「何とも言えない」と記録には無関心。「名前は重いですね。一枚でも番付を上げていけるように」と偉大な四股名を受け継いだ23歳のホープは足元だけを見つめている。
自分がいつデビューできるのかも定まらずに4年半もの間、モチベーションを見失うことなくひたすら稽古に打ち込んできたことで強靭な精神力も養われたことだろう。いずれは今の横綱、大関陣の強力なライバルになるかもしれないが、そんなことよりも“史上最強の新弟子”の異名を持つ男は今、観客がいる前で相撲が取れる喜びを噛みしめながら土俵に上がっている。

