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オリンピックへの道BACK NUMBER
「しゃべりにくいな…」木原龍一に17歳の三浦璃来が感じた“まさかの第一印象”…ペアが大好きだった少女が「木原選手と組めて、ほんとうによかった」と気づいた日
text by

松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2026/03/05 06:00
結成1年目、転機となったNHK杯フリー。演技を終えて笑顔で抱き合う三浦璃来と木原龍一
「実は心が折れそう…笑わんといて!」
2人のデビュー戦は、2019年10月の東日本選手権。エントリーは三浦と木原のひと組のみの試合を経て、翌月、NHK杯を迎える。そのショートプログラムは62.41点で6位。今まで縁のなかった高得点に、木原と喜びを分かち合う。
その翌日にフリーを迎えるが、午前の公式練習で三浦はうまくいかず、落ち込んだ。
そのとき、木原に朝食に誘われた。
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食事中、スケートの話はしなかった。ひたすら「どうでもいい話」(木原)を続けた。いつしか、落ち込んでいた気持ちが消えていった。
「スケートと関係のない話をして、心が軽くなりました」
と振り返る三浦は、こう続けた。
「実は心が折れそうでした」
それを聞いた木原が思わず苦笑すると、三浦は「笑わんといて!」と返した。
「しゃべりにくいな」という最初の印象からの時間の経過と、2人のコンビネーションのよさがそこにあった。
笑顔で手を取り、喜び合った瞬間
いざ迎えたフリーでは、117.53点と、総合でも179.94点、かつて見たことのない得点を並べた。
それを目にした瞬間、木原は何度もガッツポーズし、驚いたような笑顔を浮かべた。三浦も思い切り笑って、木原と手を取り合い喜ぶ。
「すごい選手たちがいる中で不安はありましたけど、やるべきことをやれて自信になりました」

