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解説者も思わず「意図が分からない」…東京マラソン「ペースメーカー遅すぎ問題」はなぜ起きた? 大迫傑は「日本人トップとか言っているうちは…」
text by

別府響Hibiki Beppu
photograph byJIJI PRESS
posted2026/03/02 11:06
東京マラソンで日本人トップ争いを繰り広げた鈴木健吾と大迫傑の新旧日本記録保持者。イレギュラーなレース展開でも地力の高さを見せた
大嶋レースディレクターの言葉からは、マラソンが気候や環境に大きく左右される「水物」な競技であることがよくわかる。
「何度かペースを上げるように指示はしましたが、外国人選手の集団が、ある程度落ち着いたペースになじんでいる状況でした。なのでその後は維持をさせるというか、上げろという指示はしませんでした。ただ、途中で1km2分57秒~58秒くらいまで落ちてしまったので、そこからは『ここから巻き返すよ!』と指示を出しました」
そして、この風の影響は後続の日本人選手たちにとっても同様だった。
ペースを上げようとしても…「選手が遠慮がち」
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レース後に大嶋レースディレクターが日本人集団のペースメーカーに話を聞いても、似たような答えが返ってきたという。
「やはり『風が気になった』という言葉はありました。あとは、ペースメーカーが少しペースを上げようとしたところ、選手たちが(ペースを上げるのを)遠慮がちというか、そういう状況もあったと聞いております。ですので、結果的に今日のコンディションの中では、ああいうペースになったのかなと」
結局、設定通りにレースを作った中村にただひとりついていった橋本龍一(プレス工業)を除けば、他の日本人選手はスローだと分かっていてもペースメーカーの後ろに付くことを選んだことになる。
一方で、そんなイレギュラーなレースだからこそ選手にとっては地力を問われることになったのかもしれない。2時間6分9秒とMGC出場を決めるタイムで日本人2位の13位に入った前日本記録保持者の鈴木健吾(横浜市陸協)は、レースをこう淡々と振り返った。
「東京はペースメーカーも外国人が多いので、そこまでペースが安定するわけではないと分かっていました。(終盤での)一瞬の駆け引きが大事かな……と思いながらレースを進めていました」

