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「僕らは10回近く“解散”している」M-1ラストイヤー・ヤーレンズが明かす、売れるまでの不仲期間「“もう解散だ”…1カ月間の空白」
text by

中村計Kei Nakamura
photograph byHideki Sugiyama
posted2026/02/23 11:18
結成14年、3年連続でM-1決勝に出場したヤーレンズ。楢原真樹(ボケ担当、39歳、写真左)と出井隼之介(ツッコミ担当、38歳)
出井 そこはどちらの解釈も正解なんですよ。
楢原 M-1も最後は自分がおもしろいとおもっているものを見せるしかないというところに行き着く。それがハマるかハマらないかは運ゲーなんです。
出井 ラストイヤーは終わったあとに、(過去の)あの年のネタの方がよかったと思われなければいいと思うんです。自分たちのおもしろいものをやって、2026年のヤーレンズが1番だと言ってもらえれば。
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――出井さんはコロナ以前、何度も楢原さんとはもうやっていけないと思っていたんですよね。それでも関係性を続けてきたのは、やはり楢原さんの才能に惚れていたということなのですか。
楢原 天賦の才があるからね。しょうがねえな、って。
出井 違う意味でしょうがなくって感じですかね。僕以外だったら無理だと思いますよ。この人は。
「僕らは10回近く“解散”している」
――最終局面までいったこともあるわけですか。
出井 何度もありますよ。水面下では何度も解散してます。10回いくか、いかないかくらい。「もう解散だな」って、その日、別れたこともぜんぜんあります。一度、完全に解散したときもありました。
楢原 ほんのちょっと。
――1カ月くらい?
楢原 1カ月いかないくらい。正式発表するほど売れてなかったからしなかっただけで。
――でも楢原さんから見たら、こんなに自分の持ち味を引き出してくれるツッコミもいないわけですよね。
楢原 私の育成の賜物です。育てるのに相当、時間がかかりましたから。
出井 漫才の才能うんぬんじゃなく、人間として隣にいることが耐えられるのは僕だけだと思うんで。そういう意味で、しょうがなくやってる。社会の落伍者を出さないために組んであげているという感じです。
――2022年、初めて準決勝まで辿り付いて、準決勝でもめちゃめちゃウケたから絶対通ったと思ったら落ちて。その夜、翌日の仕事のために宿泊した羽田空港のホテルがツインベッドの相部屋で。どちらかが解散を口にしたら本当にそうなっちゃいそうな状況で楢原さんが思わずベッドにダイブしてボケたというエピソードがあるじゃないですか。あの話があまりにも美しくて。これがヤーレンズなんだなと思いました。
楢原 美しいですか(笑)?
出井 危ないところでしたけどね。
楢原 結果的には落ちましたけど、ウケてたんで。来年行けるだろうというのがあったから、解散しなかっただけだと思いますよ。スベって落ちてたら本当に解散していたかもしれないですよね。
(写真=杉山ヒデキ)



