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バスケ日本代表“大きな方針転換”…コーチ陣の「兼任」は吉と出る? NBA指導歴豊富なキーマン吉本泰輔の心を動かしたオファー「何を迷っているんだ」
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宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byNathaniel S. Butler/NBAE via Getty Images
posted2026/02/18 17:00
男子バスケットボール日本代表のアシスタントコーチに就任した吉本泰輔(44歳)
NBAを中心にコーチとして活動してきた吉本にとって、今回の機会は過去のいくつかの出会いの先にあった。
そのひとりが、現琉球ゴールデンキングスGMであり、男子代表強化部会長でもある安永淳一だ。もともと、NBAのコーチを目指していた若き日の吉本に、NBAのニュージャージー・ネッツ(現ブルックリン・ネッツ)の関連会社のHoop 1 Videoを紹介し、NBAへの最初のドアを開けてくれたのが、当時ネッツの球団職員だった安永だった。安永が日本に帰国してゴールデンキングスの運営に関わるようになった後は、一時帰国の折に沖縄に招かれ、ゴールデンキングスの練習を見学したり、ワークアウトの手伝いをするようにもなった。
伊藤のことは彼がバージニア・コモンウェルス大にいた頃から知っているというが、よく話すようになったのは2018-19シーズンに伊藤がGリーグのテキサス・レジェンズでアシスタントコーチを務めていたときのことだ。機会があれば食事に行き、バスケットボール談義に花を咲かせたという。
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今回、そんな2人から、代表コーチ陣入りを打診された。
「正直言って、今シーズンはGリーグに専念するつもりでいたんです。でも拓摩さんや淳さんから話がきて、何度か話し合うなかで、彼らのビジョンや取り組み、そしてファン、選手、チームのためにスタンダードを築くという姿勢に心を動かされました。みんなが参加したくなるような組織を築きたいと言っていて、自分もそこに参加したいと思ったんです」
桶谷HC、リッチマンACとの関係
桶谷やリッチマンとも旧知の仲だ。桶谷はお互いに同じ頃にアメリカの大学に留学していたのだが、東海岸と西海岸で離れていたこともあり道が交わることはなかった。その後、吉本がシカゴ・ブルズで働くようになり、安永がいる沖縄を訪れ始めた頃、当時ゴールデンキングスのヘッドコーチだった桶谷と初めて対面したという。以来、連絡を取り合い、遠くから彼のコーチングを見ている中で、その学びの姿勢とリーダーシップが印象に残った。
「桶さんはスチューデント・オブ・ザ・ゲーム(バスケットボールを学び続ける人)ですよね。いろんなことを学びたいという気持ちを持っている。単に勝っているからというより、勝ち続けることができるカルチャーを作った人。リーダーで、周りのベストを引き出せる人だと思います。一緒に働くのを楽しみにしています」
リッチマンとは、彼がワシントン・ウィザーズのアシスタントコーチだった頃からの顔見知り。同じビデオコーディネーター出身のNBAコーチとして、会うと言葉を交わしてきたという。
こうして多くの人とのつながりが、吉本を日本代表のコーチへと導いた。
「日本人として、そしてコーチとして、母国をこういった形で代表できることは、自分にとっても特別なことです」
日本代表は新コーチ陣のもとで2月18日に始動し、この後、2月26日に中国戦、3月1日に韓国戦が行われる。記念すべき第一歩の開催地は沖縄の地だ。
「沖縄にはよく行かせてもらっていたので、まさに運命を感じます」
沖縄から始まる新体制。その中で吉本はどんな価値を日本代表にもたらすのか。
◇ ◇ ◇
ここからは、彼のコーチとしての強みや哲学、そして同じGリーグで活動中の日本代表ポイントガード・河村勇輝との関係を掘り下げる。〈つづき→後編〉


