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「友達だと思っていたのに…」金メダリストが悲痛…ミラノ五輪ジャンプ競技でノルウェー“スーツ・スキャンダル”が残した遺恨「何の謝罪もないことが残念」
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雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byTsutomu Kishimoto/JMPA
posted2026/02/12 17:00
ミラノ五輪の男子ノーマルヒルで金メダルを獲得したドイツのフィリップ・ライムント。ノルウェーのスーツスキャンダルには複雑な胸中を明かした
選手2人は不正発覚後、すぐに連名でこのようなコメントを発表した。
「私たちは2人とも大変なショックを受けています。不正改造されたスーツと知りながら飛ぶようなことは決してありません。絶対に」
自分たちは知らなかった。他国の選手たちにとって、すべての責任を他に転嫁したこの声明は空々しいものに映ったのだろう。異素材が取りつけられたスーツを着て、当人たちが気づかないはずがないからだ。
暫定資格停止処分も…結局は五輪シーズン出場可能に
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リンビクとフォルファンはすぐに暫定資格停止処分を受け、世界選手権後のシーズン終盤戦には出場しなかった。その後、8月下旬に正式な裁定が出て、両者とも3カ月の資格停止処分となった。
これはあくまでも規則違反のスーツを使用したことへのペナルティであり、故意に不正行為に加担したとは認められなかった。2人の言い分が一応は通ったのである。
しかも、暫定資格停止処分を受けていた日数が差し引かれて、冬シーズンは開幕戦から出場可能になった。ジャンプ競技のイメージを失墜させた事件の大きさのわりには、両者への処分はペナルティとも言えないような内容だったかもしれない。
(※FISは今年1月にコーチらへの最終的な裁定を発表し、そちらは18カ月の資格停止処分だった)
ノルウェー紙『ダグブラデット』は、同国代表コーチのシガード・ソーベルグのこんな話を紹介している。シーズン開幕当初、ノルウェーへの風当たりは極めてきつかったという。
「スロベニア人は優しかったけど、それ以外はあいさつしてくれる人もほとんどいなかった。まるで我々がいないかのように振る舞って、世間話をすることさえ不可能だった」
「ドイツ人は特にメディアでよく発言していた。彼らは処分が軽すぎると思っているんだ」

