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獅子の遺伝子BACK NUMBER
〈通算194セーブ〉守護神が名門大学院へ…20代学友と過ごす元プロ野球選手のリアル「自分から話しかけていかないと」「後輩からは学食情報を…」
text by

市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byJIJI PRESS
posted2026/02/03 11:01
現役時代は西武の守護神として通算194セーブを挙げた増田
コーチングを学べる関東近郊の大学院を探したところ、筑波大学人間総合科学学術院の川村卓(たかし)研究室が目に留まり、受験を決めた。筑波大は元千葉ロッテ監督の吉井理人氏や、ライオンズの仁志敏久コーチも大学院に通い、修了している。
「川村先生自体が筑波大学の硬式野球部の監督で、かつコーチングの研究もしておられるというところに心惹かれましたね。自分自身も野球のコーチングに特化して学びたいと思っていたところでしたから」
計画書のテーマは「投手起用に関しての研究」
最も苦労したのは、合格をもらうための準備だったと振り返る。
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「具体的な目的を持っていないと大学院には入れてもらえませんから、まずは何を研究したいのか、計画書を提出しなければいけませんでした。これまでパソコンなんて触る機会もありませんでしたが、必死にパソコンで計画書を作りました(苦笑)。いろいろな方にサポートいただいて仕上げることができて、本当に感謝しています」
増田氏が制作した計画書の内容は『投手起用に関しての研究』で、主に中継ぎやリリーフ投手の球数や投球日の間隔についてのものだという。
「最近では中継ぎや抑え投手の3連投が減ってきています。でもそれが果たして本当にその投手に合っているのか、興味を持ちました。計画書の段階なので、まだ研究にまでは至っていないのですが、いろいろな段階を踏んで研究したいことを記して提出しましたね」
「判断に説得力を」見据える指導者の道
増田氏自身、プロ入り後に先発で投げたのはわずか2試合。社会人時代も含めて中継ぎやクローザー経験が圧倒的に多い。そんななかで、自身は3連投以上でも負担をあまり感じなかったことや、それでも近年、3連投を避けるケースが増えていることに着目した。
「もちろんピッチャーの将来のことを考えてとか、無理をさせる場面ではないとか、さまざまな理由があります。ただ、研究ではっきりとした根拠が導き出せれば、指導を行う上で、コーチの立場として判断に説得力が出てくると考えたからです。理論がはっきりしていれば投げるピッチャーも、周囲の人も納得できる。そう考えて研究テーマに選びました。
ピッチャーからすれば、投げて抑えれば自分の成績がアップする。チームにとっては好投手をなんとかうまく起用したい。そうなればおのずとチームの勝利にもつながると考えました」


