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加藤大治郎の鈴鹿、ストーナーの早すぎる引退、ロッシの“キック”…グランプリ取材37年の遠藤記者が選ぶMotoGP「5大事件簿」 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2026/01/29 17:00

加藤大治郎の鈴鹿、ストーナーの早すぎる引退、ロッシの“キック”…グランプリ取材37年の遠藤記者が選ぶMotoGP「5大事件簿」<Number Web> photograph by Satoshi Endo

2003年の日本GP鈴鹿サーキットでピットアウトする加藤大治郎

③2015年マレーシアGP、ロッシとマルケスの「キック事件」

 2015年マレーシアGPで起きたバレンティーノ・ロッシとマルク・マルケスの「キック事件」は、世界中のレースファンを巻き込んでの大騒動となった。このとき、チャンピオンシップをリードしていたのはロッシ。そしてチームメートのホルヘ・ロレンソが僅差で続き、過去2連覇を達成していた若きスターのマルケスは、すでにチャンピオン争いから脱落していた。

 シーズンは残り2戦。11点差でチャンピオンシップを争うロッシとロレンソにとっては、重要な一戦だった。先行したのは予選から好調だったダニ・ペドロサ。やや遅れてロレンソ。その後方でロッシとマルケスは3位争いを繰り広げ、抜いて抜かれての攻防が続いた。そして事件はレース前半の7周目の右14コーナーで起きた。

 ロッシがマルケスのインに入るとスローダウン。マルケスは行き場を失いスピードを落とす。その直後、ロッシの左足が動きマルケスのフロントブレーキにあたると、マルケスはつんのめるように転倒。ロッシはそのまま残り周回を走り切って3位でゴールするも、前代未聞の顛末にサーキットは騒然となった。

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 プレスルームのモニターには、ロッシがマルケスにキックするシーンが繰り返し何度も放送された。僕はそれを見るたび「なんてことをしてくれたんだ」と怒りがこみ上げた。ロッシはそれまでもセテ・ジベルナウやケーシー・ストーナーなど、タイトルを争うライダーと幾度となく因縁を残す戦いを繰り広げてきたが、「今度はマルケスか」という暗澹たる気分になったからだ。

 この「キック事件」により、ロッシには最終戦でペナルティが科せられ最後尾スタート。4位まで追い上げるも総合2位に終わってタイトルを逃した。

 あれから10年が過ぎ、すでにロッシは引退しているが、イタリアでのレースでは、熱狂的なロッシファンのマルケスへの激しく執拗なブーイングがいまも続いている。

【次ページ】 ④日本勢の参戦縮小のなか誕生した世界王者・小椋藍

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