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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「タイガースはまだ強くなかった」阪神の新主将・坂本誠志郎が“大きな危機感”を明かしたワケ「日本シリーズに日本ハムが出ていても勝てたかどうか…」
text by

佐井陽介Yosuke Sai
photograph bySANKEI SHIMBUN
posted2026/01/28 17:27
阪神の新主将となった坂本誠志郎捕手が、チーム力に対しての“危機感”を明かした
「もっともっと野球がうまくなりたいし、まだまだ勉強しないといけないことがたくさんあるとも感じました。いろいろ考えさせられる、勉強になる試合をさせてもらいました」
懸命にそう言葉を振り絞った夜から、もうリベンジロードはスタートしていたのだろう。だからリーグ優勝を成し遂げた直後にもかかわらず、男のオフにのんびりムードは感じられない。
埋めなければならない、大きな差。
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坂本は契約更改後の会見中、ソフトバンク打線について「打席の中での考え方、それを打席で表現する技術、対応力。いろんな要素が全部整っている」と冷静に分析していた。
別日、コメントの真意について深掘りさせてもらった。猛虎の正捕手は実際、日本シリーズでカルチャーショックにも近い感覚を味わっていたようだ。
「リーグ戦では同じ相手と何回も対戦することもあって、化かし合いというか、ここにこの球種が来ると思ったら来ないんかい、来ないと思ったら来るんかい、といった駆け引きの連続になります。そんな戦いの場合は頭を使っていろんなことを考えたり、技術ではない部分でカバーできたりもします。僕自身、そういう部分で戦っているつもりでもあります。でもね……」
ふと悔しさが胸の内で再燃したのか、一瞬だけ眉間にしわが寄った。
アスリートは本来、簡単に敗北を受け入れたくない生き物である。それでも坂本は完敗を認めざるを得なかった。
「この表現が正しいのかどうかは分からないけれど、野球は頭を使えば弱いチームが強いチームに勝てるスポーツだと思っています。でも去年の日本シリーズを経験して、強いチームがシンプルに強さを見せて勝つのが一番強いのだと、痛感させられました。僕たちは強かったのではなくて、ちょっと頭を使ったりもして強いように見せていただけなのかもしれません。結局、グラウンドに立っている人間がどれだけ根本の力を持てているかどうか。その力が足りていなかったという意味で、タイガースはまだ強くなかったのだと、僕は感じました」
2025年、阪神はセ界のライバル5球団を走攻守の全部門で圧倒した。
長年の課題とされてきた守備面もリーグ最少の57失策まで改善され、特に自慢の投手力はリーグ断トツのチーム防御率2.21を誇った。
野手陣にしても、各選手が自身の役割を理解した上で凡事徹底を追求。常に先の塁を狙う走塁に自己犠牲の姿勢も合わさり、したたかに得点を重ねるスタイルは他球団を辟易させた。
そもそも目指しているレベルが違っていた
それなのに、タイガースは日本シリーズでソフトバンクに力負けした。
「そもそも交流戦の順位を見れば、顕著に表れていたことですからね。もし日本シリーズに日本ハムが出てきていたとしても、正直、勝てていたかどうかは分からないと思います」
そう振り返ると、坂本は再び悔しそうに唇をかんだ。

