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「骨を砕くような音がした」“朝倉未来を粉砕”シェイドゥラエフの壮絶パウンド地獄「至近距離で撮影…危険を感じた」カメラマンがとらえた決定的瞬間
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長尾迪Susumu Nagao
photograph byRIZIN FF Susumu Nagao
posted2026/01/17 17:00
朝倉未来に強烈なパウンドを連打するラジャブアリ・シェイドゥラエフ。圧倒的な強さでRIZINフェザー級王者を防衛した
バックにつかれたまま未来選手がなんとか立ち上がってコーナーに押しつけられたところで、右ヒザから強烈な右フックの連打。この時点ではっきり未来選手が劣勢でしたが、諦めは感じませんでした。なんとか正対して、展開を変えようとしていた。ですが、やはりグラウンドに持ち込まれると苦しかったですね。
至近距離で聞いた「骨を砕くようなパウンドの音」
フィニッシュの場面、パウンドの連打は目の前で撮影することができました。シェイドゥラエフ選手のパウンドって、とにかく硬そうな音がするんです。擬音としては、「ズコン」とか「バキャッ」が近いかもしれない。初期UFCからPRIDE、RIZINまでいろいろな現場で撮影してきましたが、あまり聞いたことのない音です。試合後に未来選手の眼窩底骨折が判明しましたが、それこそ骨を砕くような音でした。
それでいて、相手のディフェンスを散らすための“捨てパンチ”がほぼない。全部が全部フルパワーで、ガードが空いているところにピンポイントで打ち込んでいく。それもフック軌道だけではなくて、テンプルを狙ってストレートに打ち下ろすような右の一撃もありましたね。あれは強烈でした。
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シェイドゥラエフ選手が20発くらいパウンドを浴びせたあとに、未来選手が半身になった瞬間があった。パウンドが始まったときから「いつ終わってもおかしくない」とは思っていましたが、このシーンは特にレフェリーが近くで見ていたので、おそらく止めようかどうか迷ったはずです。
ここから未来選手がポジションを変えようと動いたんですよね。あるいは、すでに意識はなかば飛んでいて、ファイターの本能で「動いてしまった」のかもしれない。だからこそ、レフェリーもストップできなかったのだと思います。バックマウントを取られてからフィニッシュまで時間にすると数十秒だと思いますが、あのパウンドのシーンは永遠に続くかのような感覚がありました。
レフェリーが試合を止めたとき、未来選手はおそらく失神していたと思います。それでも最後まで動き続けようとしていた。パウンドを打たれすぎていたので、「これ、やばいんじゃないか」と危険を感じてリング周辺は騒然としていました。リングサイドにいたドクターも総出で未来選手の容態をチェックしていた。
首を固定されて担架で搬送される瞬間を撮影しましたが、すさまじい緊張感でした。あの未来選手の姿は忘れられないですね……。眼窩底骨折も重症ですが、それで済んでよかったな、と。脳や頚椎のダメージを本気で心配していましたから。





