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「骨を砕くような音がした」“朝倉未来を粉砕”シェイドゥラエフの壮絶パウンド地獄「至近距離で撮影…危険を感じた」カメラマンがとらえた決定的瞬間
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長尾迪Susumu Nagao
photograph byRIZIN FF Susumu Nagao
posted2026/01/17 17:00
朝倉未来に強烈なパウンドを連打するラジャブアリ・シェイドゥラエフ。圧倒的な強さでRIZINフェザー級王者を防衛した
ただ、同時に「朝倉未来なら何か起こせるんじゃないか?」という淡い期待があったのも確かです。鈴木千裕、クレベル・コイケというふたりの元王者に勝ってタイトルに挑む権利を得ているわけですし、少なくとも「名前で組まれたカード」ではない。そもそも今のシェイドゥラエフ選手は圧倒的すぎて、誰もやりたがらないような相手ですよ。未来選手はそこに名乗りをあげて、リスクを承知で試合を受けた。見方は人によってさまざまですが、私は「男気があるな」と捉えました。「自分が客を集めて、日本の格闘技界を引っ張っていく」という自負が、今回の決断に表れていたと思います。
「我を忘れて撮影した」驚愕のジャーマン
試合開始直前、入場時の未来選手は落ち着いているように見えましたね。気負いがなく、どこか達観したような……。ロープを飛び越えてリングインした瞬間も「心は熱く、頭はクールに」というのを体現した表情でした。「やっぱり朝倉未来は、根っからのファイターだな」と感じたのを覚えています。
未来選手に勝機があるとすればスタンドで一発カウンターが決まるパターンや、コツコツと打撃を当てていく展開でしょうから、立ち技に活路を見出そうとする戦略は間違っていなかったと思います。それでも、一度掴まれてしまうと……。じわじわとロープに詰められて、右フックに合わせて片足タックルに入られた瞬間(試合開始45秒ごろ)から2分54秒のフィニッシュまで、ほぼノーチャンスだったように思います。
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腰の重い未来選手を軽々と持ち上げて投げ技を連発したシェイドゥラエフ選手のパワーは、とにかく異次元でした。ジャーマンスープレックスの瞬間の写真がかなりいい角度で撮れているのですが、シェイドゥラエフ選手のブリッジの強さ、柔軟性に驚かされます。これには未来選手もさすがに面食らった表情をしていましたね。私自身、普段は冷静に撮影するタイプなんですが「これはすごい……」と我を忘れてしまいました。
あのジャーマンスープレックスやスラムのような投げ技は本来、相当スタミナを消耗するはずなんですよ。3回も派手に投げていますからね。見栄えはしますが、「シェイドゥラエフは疲れて落ちてくるんじゃないか?」という予感もありました。でも、動きがまったく落ちない。一度バックを取られたら、もう切れないんですよ。バックからコントロールする力、グラウンドのスキルも、シェイドゥラエフ選手が圧倒的に優れていた。






