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阪神・坂本誠志郎が明かす日本シリーズ“最大の誤算”「右打者への対策が足りなかった…」ソフトバンクに「キーマンはいない」発言のウラにあった思惑―2025年下半期読まれた記事
text by

田中仰Aogu Tanaka
photograph byNanae Suzuki
posted2025/12/25 06:00
阪神の正捕手が今語る、日本シリーズの敗因とは?(インタビュー第1回)
坂本 人によるんじゃないですか。僕は……。
――気にはなりますよね。
坂本 というより意図せずスマホに表示されることはあるんですよね。でもまあ、気にしないようにはしていました。
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――対して藤川監督は対面での1対1のコミュニケーションを好む?
坂本 そうですね。僕から話しかけに行くこともあれば、話しかけられることもありました。ピッチャーの状態とかの話が多かったかな。配球的な面でのアドバイスもありました。開幕前に「グラウンドに入ったらキャッチャーが監督だよ」と言われて、それはシーズンを通して意識してましたね。
今明かす、ソフトバンクの“キーマン”
――たしかに捕手は「試合を司る」ポジションと言われますよね。だからこそ日本シリーズについて坂本さんに振り返ってもらいたかったんです。シリーズ開幕前に「(ソフトバンクの)キーマンは言えない」とメディアに発言していました。実際は誰をポイントとして考えていたのですか。
坂本 特定の誰が、という選手はいませんでした。これは本当です。ソフトバンクの選手は全選手レベルが高いので。それでもあえて挙げるならば、相手の左打者たち。特に巧打者タイプですね。そこをどう抑えるか、という点にものすごく頭を使いました。
――たとえば3番を打つ柳町達選手、5番の栗原陵矢選手。
坂本 そうです。でも実際、左の巧打者に仕事をさせないようにとケアしていたら、右打者に試合を決められてしまった。右打者への対策が足りなかったという反省はあります。
――初戦はそのプランがうまくいったように見えました。シリーズを振り返ったとき、流れの分岐点に挙げられるのが、第2戦ですよね。それまで実戦登板から離れていたデュプランティエ投手が先発で登板した。坂本さんには前から知らされていたのですか。
坂本 シリーズ開幕の前には伝えられていました。ただデュプも、調子自体は悪くなかったんですよ。


